小説 詩 恋愛 2024.03.21 詩集「ホロス」より三篇 虚無からの豊作 ほうれん草が食べたいなら 緑を描きなさい 卵が食べたいなら 黄色を描きなさい ご飯が食べたいなら 白を描きなさい ごちそうさまをしたら 窓の外の星空を見上げなさい ほうら、 お腹いっぱいになったでしょう? 【前回の記事を読む】詩集「ホロス」より三篇 【イチオシ連載】結婚してから35年、「愛」はなくとも「情」は生まれる 【注目記事】私だけが何も知らなかった…真実は辛すぎて部屋でひとり、声を殺して毎日泣いた
エッセイ 『ボクは、笑顔でできている ~多くの人に支えられて、白血病と闘うことができました~[注目連載ピックアップ]』 【第2回】 向井 健一郎 「病名は急性リンパ性白血病です」"急性リンパ性白血病"は約10万人に1人の確率で発症する。なぜ私が、と妻と二人で泣いた。 翌日の朝に、もう一度血液検査とエコー検査などを行いました。消化器内科の医師からは、「肝臓や脾臓は少し腫れているが、これが痛みの原因とは考えにくいです。最初のCTスキャンの画像を見ると、リンパ腺がいくつか腫れているところが見られたので、午後からは血液内科で診てもらいましょう」という話がなされました。私は「血液内科」とは初めて聞く名前だったので、これは何の病気だろうと思っていました。午後、病室が血液…
小説 『スクリーン』 【第8回】 山田 健太郎 いつもの友達、いつもの家族、いつもの家。普通の生活が大事だと留置所で理解したが、肌で感じるのとは雲泥の差だった 【前回の記事を読む】俺が逮捕されるよう仕向けていたのは、結婚を考えていた彼女だった。…彼女は、虚偽の被害届を出していたのだ。「ああ、いろいろ分からないことだらけだよ」俺はため息交じりにうつむく。「びっくりしたぞ、突然逮捕されるなんて。まあ、お前が殺人なんてできるとは思ってなかったけどな」からかうような慰め方だ。「ああ」どうも調子が出ない。やっぱり殺人容疑で逮捕されたことは知られている。学校の皆も…