後鳥羽院 順徳院への追慕

後鳥羽院、順徳院への追慕の想いを込めて歌われる1~3章、全60首。いにしえの天皇達の歌で始まり、最後は、承久の乱に敗れた後に遠島に配流となって、遂に都に戻ることのなかった後鳥羽院、順徳院の歌で結ばれます

第一章 やまとの国の自然の姿や様々な風物

第 1 節 雪は降りつつ

天皇の統(す)べる、飛鳥の地から遥か富士山まで、やまとの国の四季それぞれの姿を歌います。

 

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【訳】あなたのために春の野に出掛けて若菜を摘んでいるその私の衣の袖(衣手)には雪が降り掛かっている

【歌人略歴】

光孝天皇(こうこうてんのう)830-887年。

平安時代初期、第58代天皇(在位は、884年から887年と短い)。仁明天皇(第54代天皇)の第三皇子。宮中行事の再興に努めるとともに諸芸に優れた文化人でもあったとされる。和歌、和琴などに秀でたともされ、桓武天皇の先例にならって鷹狩を復活させた。

【前回の記事を読む】待てども来ない恋人を想う姿、涙で袖が濡れそぼる姿などが印象的に歌われている第四章

 

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