図表1 日本の物流軽視を象徴する様々な事象

百歩譲って、日本の物流が効率的で、経済活動に何ら問題を生じていないのであれば、物流の扱いを特に問題視する必要はないかもしれない。しかしながら、今まさに「物流危機」が目前の課題となっており、輸送の非効率、人手不足、さらには物流インフラの問題に至るまで、「物流軽視」に関係があるとしか考えられない問題が多発している。

物流軽視という問題は、物流業界のポジショントークのように捉えられがちだが、実際には、より根深い日本経済の構造的課題である。

SCMにも共通する「軽視」の姿勢以上では「物流」に限って説明したが、同じ問題は「サプライチェーン・マネジメント(SCM)」についても言える。

サプライチェーン(供給連鎖)とは、原材料から最終消費者に至る、複数の企業をつないだ一連の物資供給の流れである(図表2)。