世界中で最もよく用いられるのは、中国語とスペイン語ですね。この言語を大学では学習できないのは、いささか残念です。スペイン語は、私が高校留学の折に米国で学んだことがあります。そのクラスでは、読み書きにはあまり力を入れず、もっぱら会話することに集中していました。

特に米国には、ラテン系の人々が数多く在住しています。スペイン語は読み書きできなくても、会話が少しでもできると、生活がかなり便利になり、活動も広がるという印象を受けました。

もうひとつ私の経験を紹介しましょう。医学部の基礎医学の講義のはじまった3年生の折、せっかくの機会だから、英語の本で勉強しようと試みたことがあります。

医学生理学ではGanongという有名な生理学の教科書があります。もちろんその日本語訳の本もありました。たいていの同級生は日本語訳の本で勉強していました。でもせっかくの機会だから、と私はあえて英語の本で勉強し、試験を受けました。

残念ながらその試験は、落第をしてしまいました。その頃は、まだ英語の専門用語などが十分身に付いておらず、また英語で試験勉強をするには、かなり時間を要したように思います。

幸い追試で通してもらい、進級には影響ありませんでした。でもよい経験になりました。(今でもぼろぼろになったこの英語の生理学の本を、大切に保存しています。)

医学英語を学ぶ必要性は、あちこちで議論されてきています。最近では医師国家試験にも英語の単語だけでなく、英語の文章問題が出てくるようになっています。

おそらく出題される大学の先生は、医師となった後、英語文献を読むための、最低限の英語専門用語を覚えること、そして日本語の通じない患者さんとの対応をするための、簡単な英語の用語をマスターすることの重要性を理解しておられるのでしょう。

その意味でも、医学専門用語の英語でも覚えること、そして簡単な英語の文章を解読する学力は身に付けておいてほしいものです。

【前回の記事を読む】有意義な大学生活を過ごしてきたかどうかは、その後社会人としての素養になる