【前回の記事を読む】安心できない「米国頼みの日本の外交」に対し…日本国民がまずしなければならないこと

第一章 結論(日米関係と今後の中国)

日米関係

米国の文化人類学者ルース・ベネディクトはその著書『菊と刀』(長谷川松治訳:社会思想社・一九六七年)で次のように述べている。

「日本人は常に自己の行為の結果責任をとらねばならないと考えている。一九三〇年代には軍国主義が容認されていたのにもかかわらず」。

また「日本人が精神的に苦痛を伴うことなく一つの行動から他の行動に転換しうるということが、なかなか信じられない。捕虜になったら弾薬集積所の位置を教え、兵力配備を綿密に説明し、わが軍の爆撃機に搭乗して軍事目標に誘導した。軍事秘密でも簡単に漏らすし積極的に協力もする。彼はある行動が失敗に終われば、それを捨て去る」と。

同じく海軍情報員であったドナルド・キーンは、司馬遼太郎との対談で「源平合戦から戦国時代までの合戦の勝敗の結果が裏切りだったようです。また日本人は罪を犯して自白するような場合、必ず申し訳ないとか、とても悪いことをしたと言う。外国の場合は、犯人はまず否定する。自白しないですね。申し訳ないとは絶対に言わないでしょう」(司馬遼太郎・ドナルド・キーン著『日本人と日本文化』中央公論新社・一九九六年)。

因みに米海軍は一九一〇年以来、日本語能力習得のために海軍士官を日本に派遣している。さらに日本との関係悪化にともなって一九四一年カリフォルニア大学やハーバード大学に日本研究科を設けて日本人の研究に着手している(コロラド大学図書館:JSLPによる)。

米海軍日本語学校は、ドナルド・キーン、エドワード・サイデンステッカー、オーテイス・ケリーなど著名な日本文学研究者を輩出している。

彼らは太平洋戦争中、軍に所属し日本人捕虜からの情報収集、弱化工作や日本人の精神分析(心理戦)などの任務を負っていた。またWGIP(戦後日本の弱化工作)にアドバイザーとして貢献もしている。

米国によって綿密に仕組まれたこうした過去の束縛(マインドコントロール)からの脱却こそが、日本の本来の形(国柄)を取り戻すこととなろう。