第一章 伊都国と日向神話
5．伊都国の中のユダヤ
さらに綿津見神＝阿曇氏の宮（対馬国の海神神社）の祭神は、もとは八幡神であった。八幡神は秦氏が奉斎する神であるから、これはもう、阿曇氏は秦氏であると言っているようなものである。
・綿津見神の宮（海神神社）のご祭神は、もとは秦氏が奉斎する八幡神であった
・綿津見神はユダヤ系秦氏の一族か、または秦氏そのもの・綿津見神の子が、「宇都志日金拆命」である
・「宇都志日金拆命」の意味は、「ユダヤ系の神で、鏡を割る風習をもつ神」
・割れた（割られた）鏡が、伊都国の王墓から出土する
・「宇都志日金拆命」は、伊都国王であり、秦氏でもある（少なくとも秦一族）
『新撰姓氏録』では、阿曇（安曇）氏は次のように記されている。
678 安曇連綿積神命児穂高見命之後也
この記録を『古事記』のものと比較すると、かなり分かりやすくなる。
阿曇連（あずみのむらじ）等は、その綿津見神（わたつみのかみ）の子、宇都志日金拆（うつしひがなさくの）命の子孫（うみのこ）なり
二つの記載を、次にまとめてみた。
従って「穂高見命」は、「宇都志日金拆命」である。よって勾玉・（割られた）鏡・剣の三種の神器（大王の所持品）がセットで出土する怡土（いと）郡の諸遺跡は、「宇都志＝ユダヤの」＋「日金拆＝鏡を割る」風習をもつユダヤ系伊都国の王墓である。
6．伊都国から出土した三種の神器
伊都国王の墳墓からは、鏡に付随して剣や勾玉も出土した。三種の神器が揃って出土するのである。古墳から出土した割れた鏡は、葬送文化の一端なのであろうが、「鏡」そのものは王権の象徴と思われ、「剣」は軍事力を表す。
では勾玉は何を意味するのか。装身具としての勾玉は、伊都国に限らず古代ヤマトにあっては、普遍的な何ものかである。多分キリスト教徒が首に下げる十字架のような、信仰の証ではなかったか。ヤハウェを信ずる民であった秦氏の勾玉は、神そのものを表したものかもしれない。
そもそもユダヤ系王権のもとには、三種の神器なるものがあったのであろうか、こちらも研究の余地がある。ここまで考えが進んできたとき、一冊の本のことを思い出した。『日本書紀と日本語のユダヤ起源』（ヨセフ・アイデルバーグ／徳間書店）である。
その表紙には、「[三種の神器の一つ]勾玉（まがたま）の形はヘブル語で「ヤー」（神の御名）と読める。」と書いてある。勾玉は「ヤハウェ」のことである、と主張している。
それ（勾玉のこと：筆者注）は糸に通して垂らした状態において、ちょうどヘブル文字の「ヨッド」（❜）に見える。それは「ヤー」とも発音され、伝統的に神の御名を表すものとして使われてきた文字なのである。
