俳句・短歌 四季 2022.08.18 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第116回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 女学生胸部きょうぶの様に愛しくも 理想を映し咲いた紫陽花 桃色やオレンジ色の木々の花 空中都市が咲いている様 テーブルに雀舞い降り並び合い 風雅に食べる昼食の時
小説 『終恋 [人気連載ピックアップ]』 【第4回】 高生 椰子 初恋の人と40年ぶりに会うことに。待ち合わせ場所で(あの人なら会いたくないな)と思っていると「緑のジャンパーを着ています」と… 【前回の記事を読む】40年会ってない元カノに会いたくなる男の心理って? 男友達に相談すると「俺なら会わん。何かあるで、それ」…嫌な予感がする待ち合わせ場所である梅田駅前のビルに着いたのは約束時間の15分前だった。一階の書店で10分程雑誌の立ち読みをするが、文字が頭に入ってこない。5分前に指定したエレベーター付近に移動すると何となく彼に似た細見で小柄な男性がリュックを背負って立っていた。ちょっと似…
小説 『心ふたつ[人気連載ピックアップ]』 【第4回】 高田 知明 松茸が採れるふたつの山と東京ドーム三個分くらいの農地を所有する祖父母。帰省すると二人は笑顔で俺と妹を大歓迎 【前回の記事を読む】見かけは昔ながらの一般的な農家のつくり。しかし玄関の板の間の奥にある引き戸の向こうにひろがるのは別世界で…これらの部屋は仕切りの襖を外すと八十畳の大広間となる。ここに来るといつも、日本史の教科書に載っていた大政奉還の二条城の大広間の絵を思い出す。更に廊下側の襖と雨戸を外すと二面から表庭の全景を望む形にすることができる。正面には平らな芝地があるが、ここは昔能舞台が設けられていた…