俳句・短歌 四季 2022.09.03 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第117回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 強風に柳と葦が揺れ動き夕陽に蜻蛉照らされて舞う 不如帰ほととぎす朝の窓辺で鳴いて言う理想の夢が叶うといいね 積乱の綿雲浮かぶ夏風情そよ風熱く木きの葉揺らめく
小説 『アイアムハウス』 【新連載】 由野 寿和 静岡県一家三人殺害事件発生。その家はまるで息をするかのように、いや怒っているかのように、大きく立ちはだかり悠然としていた 午前十一時。サイレンを鳴らさず、車両は静岡県藤市十燈荘(じゅっとうそう)に到着した。静岡中央市にある県警本部から十燈荘までは、藤湖をぐるっと大回りして藤市経由でトンネルを通り、小山を登ることになる。藤湖を見下ろす高級住宅街、十燈荘は、土曜の昼だが活気はない。既に外部への交通規制が敷かれているとはいえ、不気味に静まり返っている。ここで殺人事件があったことを、住民達が知っている気配はなかった。その家…
小説 『魂のいるところ』 【第4回】 しおん 彼は「霊魂や神さまを本気で信じている」と言った。スピリチュアルな考えを物怖じせず言い、「神頼みは無意味な行いと思う?」と… 【前回の記事を読む】二人の出会いは奇跡のようで、初めからそうなるべくしてそうなったと思う…恋愛下手の私が思いきって連絡先を交換してほしいと伝えた彼の出立ちは、仕事帰りのノーネクタイ、ジャケットを無造作に持ち、ワイシャツから覗く首元が、妙に色っぽく感じる。汗を拭い、それを気にしている様にも見えた。またふっとした瞬間目が合うとお互いに照れて、目線が定まらず、不自然に体が向かい合っていない。照史はもっ…