俳句・短歌 四季 2022.07.29 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第115回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 猫が噛み歯跡はあとの傷に病院に行ってと言われ直ぐ行き治療 薄晴うすはれの淡い太陽光線と温ぬくやかに吹く大気が包む 夕空ゆうそらにX型エックスがたと虹型の筋雲浮かぶ絶美ぜつびの異郷
エッセイ 『遠い夢の向こうのママ[人気連載ピックアップ]』 【第16回】 かおる 「育ての親への挨拶もできない恩知らずが、恥を知れ」結婚式で再会した母は向こうから歩いてきて、私を無視して通り過ぎた。 【前回の記事を読む】生みのパパは苗字を変えていた。暴力団絡みで揉めて、今の奥さんの姓に変えたらしい。 それからしばらくして山口家の一人娘、桃子姉ちゃんの結婚式が決まった。もちろん出席する。 どうしよう。新田のお母さんが来る。 新田家を出て初めてお母さんと会う。恐ろしくてたまらなかった。 「どうしたらいいの」と半泣きでママやパパに聞いても「普通にしてたらいいよ」と答えるだけだったが、どうすればいい…
小説 『愛は楔に打たれ[注目連載ピックアップ]』 【第5回】 青石 蓮南 10年ぶりに再会した父。色褪せた茶色の財布から「これ」といって渡されたあるもの。これを見て蓮は涙をこらえることが出来なくなった 【前回の記事を読む】嫁姑問題で母があの時こんなに辛い思いをしていたなんて…。自然に涙が滴り落ちた。さらに父は、外で彼女を作り不倫をしていたとは永吉の姿を見た瞬間、永吉と最後に会った十年前の記憶が走馬灯のように蘇り、急に懐かしい気持ちになった。その時と比べて今の永吉は、顔の皺も白髪の数も増えているように見える。しかし、やはりこの人が唯一、自分にとって世界に一人しか存在しない父親だ。その人が今、自分…