【前回の記事を読む】【童話】「オオカミに渡してね」母が赤ずきんに持たせた手紙
となりのジャックと豆の木 ぼく、がんばるよ
むかし むかしの おはなしです。
あるところに、まずしいけれど、心のやさしい母と、ジャックという 元気な男の子が、いっしょに くらしていました。
ある日、お母さんが、ジャックをよんで 言いました。
「ジャックや、この牛を、市場へ行って 売ってきておくれ」
家にはお金がなくなって、明日のごはんも 買えなくなってしまったのです。
ジャックは、
「ぼく、なんでもできるよ、がんばるよ」
といって、牛をつれて、市場へ出かけていきました。
とちゅう、たおれている おじいさんに会いました。
「おじいさん、どうしたの? ぐあい わるいの?」
「おなかが へって、うごけないんじゃ」
ジャックは、考えました。
「そうだ、牛のミルクを しぼってあげるよ」
たびのとちゅうの おじいさんは、
「ぼうや、ありがとう。よかったら、その牛と、このまほうの豆を、こうかんして くれないかな」
おじいさんは、豆を三つぶ とり出しました。
ジャックは、わくわくして、牛とまほうの豆をこうかんしました。
「まほうの豆は、あっというまに育つから、一つぶずつ まくんじゃよ」
そういって、おじいさんは、牛にのって行ってしまいました。
家に帰って、お母さんに話すと、お母さんは、少し かなしい顔をしましたが、
「ジャックは、やさしい子だね。おじいさんを、たすけてあげたんだね。いっしょに、まほうの豆をまいてみようか」
と言って、畑に まほうの豆を一つぶ まきました。