となりのうさぎとかめ いっしょにきょうそう
むかし むかしの おはなしです。
あるところに、うさぎさんと かめさんがいました。
「ぼく、かけっこは だれにも まけないよ」
うさぎさんは、とくいそうに 言いました。
「ぼくだって、まけないよ」
かめさんも、言いました。
「それなら、あの山のてっぺんまで、きょうそうしよう」
うさぎさんが、言いました。
二人の前には、ぐねぐねの山道が 広がっています。
「うさぎさんと かめさんの、かけっこ しょうぶだって?」
クマやキツネ、リスに小鳥、森のどうぶつたちが、おうえんにやってきました。
「いちについて、ようい、どん!」
うさぎさんは、ピョンピョン 走ります。
かめさんも、がんばって、山道をのぼります。
「フレー、フレー、うさぎさん!」
「フレー、フレー、かめさん!」
うさぎさんは、あっというまに 見えなくなりました。
うさぎさんは、山のまん中で、うしろをふりむきます。
「かめさんは、ずいぶん ゆっくりだなあ。
ちょっと このへんで 一休みしようかな」
そして、ふわふわの草の上で、ぐうぐう ねむってしまいました。
そのころ、かめさんは、休まず
一歩一歩進んでいました。
「まだ、てっぺんまでは 遠いなぁ」
かめさんの のどはカラカラ、足はつかれて ぼうのようです。
「フレー、フレー、かめさん!」
森のみんなの声を聞くと、元気がわいてきました。
「ぼく、がんばるよ!」
フウフウ言いながら、かめさんは のぼりつづけました。