【前回の記事を読む】【童話】うさぎさんと かめさんが かけっこをするようです
となりの大きなアヒルの子 あなたはすてき
むかし むかしの おはなしです。あるところに、アヒルのお母さんがいました。
お母さんアヒルは、たまごを あたためています。
すると、かわいい黄色のひなが、つぎつぎにうまれてきました。
「♪ ガア ガア、♪ ガア ガア」
ところが、一羽だけ大きくて はい色でした。
おばさんアヒルが、言いました。
「あの子だけ、大きいなんて おかしいわ。色も はい色 おかしいわ」
お母さんアヒルは、言いました。
「そんなことないわ。大きいのは すてきなことよ。はい色だって、すてきな色よ」
きょうだいアヒルは、言いました。
「きみだけ大きくて、うらやましいな。きみだけ はい色、かっこいいな」
大きなアヒルの子は、言いました。
「みんなは、小さくて かわいいな。みんなの黄色、すてきだな」
おばさんアヒルは、あちこちで言いました。
「あの子だけ、やっぱり なんだかおかしいわ」
それでも、みんなは 大きなアヒルの子をほめてくれました。
にわとりさんが、言いました。
「あなたの声、とっても きれいね」
かもさんが、言いました。
「あなたのつばさ、とっても りっぱね」
犬さんが、言いました。
「あなたの足、とっても たくましいね」
水のながれの はやい川、石ころだらけの でこぼこ道、冬の寒さに こごえても、
ネコやカラスに ねらわれても、みんなは たすけあって すごしました。