すると、ねむっている うさぎさんを 見つけました。
「うさぎさん、うさぎさん、そんなところで ねむっていると、ぼくに まけてしまうよ」
「しまった! ねむっちゃった! かめさん、おこしてくれて ありがとう」
うさぎさんは とびおきると、また走り出しました。
「かめさんに、まけてたまるか」
「ぼくも、うさぎさんに まけないよ」
あと もう少しで てっぺんです。
「フレー、フレー、うさぎさん!」
「フレー、フレー、かめさん!」
「やったあ、ぼく、かったよ」
てっぺんに 先についたのは、うさぎさんでした。
「まけちゃったけど、ぼくも がんばったよ」
おくれて やって来た かめさんも、むねをはって ニコニコしています。
「かめさん、いっしょに 走ってくれて ありがとう。
きみが おこしてくれなかったら、ぼくのまけだったね」
うさぎさんは、うれしい気もちで いっぱいでした。
「うさぎさんは、やっぱりはやいなー。また、きょうそうしようね」
二人は、なかよく あくしゅをして、にっこり わらいました。
森のみんなは、いっぱい はくしゅをしてくれました。
つぎの日、かめさんが言いました。
「すいえいなら まけないよ。うさぎさん、きょうそうしよう」
うさぎさんが言いました。
「ぼくだって、まけないよ」
森のみんなが あつまって、二人を おうえんします。
「いちについて、ようい、どん!」
池のむこうぎしまで きょうそうです。
かめさんは、すいすい およぎます。
うさぎさんは、前足 バシャバシャ、後ろ足 ピョンピョン、
けれど 水の中では、なかなか 前に進みません。
「フレー、フレー、かめさん!」
「フレー、フレー、うさぎさん!」
かめさんは、あっというまに むこうぎしにつきました。
「うさぎさん、がんばれー」
かめさんも、森のみんなと いっしょに おうえんします。
うさぎさんも、みごとに およぎきりました。
「うさぎさん、いっしょに およいでくれて ありがとう」
かめさんは、うれしい気もちで いっぱいでした。
「かめさんは やっぱり はやいなー。また きょうそうしようね」
ふたりは、なかよく あくしゅをして、にっこりわらいました。
森のみんなは、いっぱい はくしゅをしてくれました。
それから、森のどうぶつたちは、みんな なかよく、
いろんな きょうそうを するように なりましたとさ。