深夜の薄暗い階段を上った。踊り場のすぐ目の間にある薄汚れた扉を開けた。きしんだ音がした。小さな男性用便所の蛍光灯は今日も点滅していた。右奥にある物置場から掃除用のモップとバケツを取り出し、バケツがいっぱいになるまで水を入れた。バケツの水にモップを浸し、床から拭いていく。拭くというより撫でるといった方が適切だ。この半年の間、築四十年のビルの五階にある男性用と女性用の便所で、同じ動作を繰り返してきた…
ミステリー小説の記事一覧
タグ「ミステリー小説」の中で、絞り込み検索が行なえます。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。