地下鉄の擦り切れた階段を上ると、外は小雪が舞っていた。師走の銀座は、いつものようにクリスマスセールで賑わっている。世界を襲ったパンデミックも終息に向かい、人々は個人的な不幸でも抱えていない限り、恒例のお祭りムードに引き寄せられる。そんなプラスのオーラが充満している街角へ、男はあてもなく一歩を踏み出した。窪んだ眼窩とこけた頬は、とても三十代には見えない。広くせり出した額、その頂で晩秋の芒野のように…
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