リーダは薬配給係。ニーナは帰る嬉しさで仕事は全くせず保たちと乾パンを食べ散らし、自身の塗面の様な着色写真を見せ、ほめられるのを喜ぶ少女である。マリアは足を投出しパフで頰を叩きながら手鏡越しに時々上目使いで後部ではしゃいでいるニーナを見つめる。野田軍医が「ニーナさん、マリアさんが怒ってますよ」と注意してもニーナは茶木綿靴下の両踵の穴を繕おうともせず澄まして「構わないわ」。夕暮ともなればリーダの色褪…
シベリアの記事一覧
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エッセイ『遠涯』【最終回】矢田 重吉
帰れる嬉しさに、少女は怒られても澄まし顔。仕事は全くせず乾パンを食べ散らし、写真を見せて喜んでいる。
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エッセイ『遠涯』【第10回】矢田 重吉
帰国者を乗せたトラックはカラカンダ街道を二年前とは逆の駅へと動き出した
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エッセイ『遠涯』【第9回】矢田 重吉
ある日突然捕虜帰還の知らせ。知る者、知らぬ者の名前が次々と呼ばれていき…
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エッセイ『遠涯』【第8回】矢田 重吉
G・P・Uの狙いはなに?入院生活は平和に過ぎていき…
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エッセイ『遠涯』【第7回】矢田 重吉
第二関節まで毒が廻っていた凍傷患者。無理に説き伏せて第二関節も切り落とすことに…
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エッセイ『遠涯』【第6回】矢田 重吉
一体誰が?自分をGPUに密告した人物は…。沢山の眼が見張っているような気がした。
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エッセイ『遠涯』【第5回】矢田 重吉
ソ連将校に「炭坑へ行かせる」と言われ、ロシア語が分からないふりをするが…。
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エッセイ『遠涯』【第4回】矢田 重吉
19歳の魅惑の看護婦が転勤してきたことにより、周りは皆、色めき立ったものの…。
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エッセイ『遠涯』【第3回】矢田 重吉
怒鳴ることもあるけれど…曲がった人差指を際立たせて頭をかく彼のかっこうに思わず苦笑
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エッセイ『遠涯』【第2回】矢田 重吉
誠実さのみが拠り所…収容所の医務室助手を務めた日本人捕虜の日常
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エッセイ『遠涯』【新連載】矢田 重吉
捕虜養療所にて。誕生日、ドイツ人捕虜の友人がプレゼントを…