荷物といっても、布団代わりの寝袋と、服と下着が二、三枚、タオル数枚、あとは作業着と安全靴一足が、俺の全財産だった。部屋に戻って、小一時間で荷物はまとまってしまった。生まれてから十六年と少し、さしていい思いもしたことがなかった俺は、次に行こうとしているところに対しての期待も特になく、とりあえず野宿しないで済むことをラッキーと考えただけだった。疲れてうたた寝してしまったのだろう。体を揺すぶられて起こ…
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小説『泥の中で咲け』【第9回】松谷 美善
連れられた先は不審な部屋…危険を察知した少年が、それでも逃げ出せなかったワケ
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小説『Wish You Were Here』【最終回】檀田 加理
【小説】「寄付のお願いです」送り主不明のメッセージに戦地の女性が縋り付いたワケ
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小説『あの空の彼方に』【第5回】小林 緑
「スピードに気をつけて」「運転には自信がある」…悲しいフラグシーン
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小説『「本当の自分」殺人事件』【第13回】水木 三甫
オシャレできれい好きな女性が「まったくの別人」に変わった理由
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小説『泥の中で咲け』【第8回】松谷 美善
唐突なクビ通告。絶望のなか、職も住居も失った少年が電話した相手
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小説『くれない艦隊』【第3回】松島 正欣
“お国のため”戦争へ…「おれは、おれは何隻撃沈するんだ」
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小説『Wish You Were Here』【第11回】檀田 加理
【小説】「『本物のコミュニケーション』なんて、ファンタジーね」
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小説『ギフト』【第12回】北沢 いづみ
「僕も早く大人になりたい」思春期の少年が伊予で見た景色
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小説『あの空の彼方に』【第4回】小林 緑
【小説】豊かな自然に囲まれた森の中、知る人ぞ知る場所にある別荘
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小説『「本当の自分」殺人事件』【第12回】水木 三甫
顔を出した女としてのプライド「私こそこの男にふさわしい」
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小説『泥の中で咲け』【第7回】松谷 美善
母さんの死。月給6万円でお墓もなく「お骨と一緒に暮らした」
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小説『Wish You Were Here』【第10回】檀田 加理
【小説】「いつか本当の自分に…」毎日、果物屋の女性のもとへ通う男の願い
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小説『くれない艦隊』【第2回】松島 正欣
【SF小説】敵兵たちも茫然…幻の船・くれない艦隊の実力
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小説『ギフト』【第11回】北沢 いづみ
「おもてなしの原点よ、四国は」知らない人でも身内のように接待するワケ
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小説『あの空の彼方に』【第3回】小林 緑
「私は大した考えもなく呑気に、今まで独り身で来たけど…」
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小説『「本当の自分」殺人事件』【第11回】水木 三甫
自然に涙がこぼれ…「全部あなたの責任、だから私と結婚してよ」
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小説『泥の中で咲け』【第6回】松谷 美善
母さんが死んだ…父が火葬場で言い放った「信じられない一言」
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小説『Wish You Were Here』【第9回】檀田 加理
SNSのなりすましを楽しむ運転手…彼に見える「現実」とは?
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小説『くれない艦隊』【新連載】松島 正欣
【SF小説】魚雷攻撃開始!合計6本の魚雷が発射された結果
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小説『ギフト』【第10回】北沢 いづみ
ふと思い出す…「十二歳の春休み」に母が突然言い出したこと