8 “美しい ”は美味しいアナゴは、やはり夏が旨い。日本橋髙島屋の横に「すし由」という寿司屋があった。いわゆる江戸前の寿司で、職人は置かず、夫婦二人だけの商い。店主自ら河岸に出向き、素材を吟味し、手をかけて下ごしらえをしていた。アナゴは、今では年がら年中あるが、ここはまだ埋め立てが進んでいない頃の、東京湾の羽田沖あたりで獲れた、夏のものしか扱わなかった。主人の甘みは和三盆。納得した味と柔らかさに…
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