自転車が潜望鏡の視野に入ってきた。ほんのわずかだが道は下りなのだ。その辺からスピードがぐんと乗ってくるはずだ。あと十数えると自転車はロープのところに来る。 ぼくは潜望鏡を倒して息をつめ、腹這いになった。光るスポークが麦の間に見えた。ぼくは腰を浮かし、体重を全部後ろにかけるようにしてロープを引っ張った。杉の幹とぼくの手の間でロープは一直線に張られ、激しいショックが手に伝わった。握りしめている掌の中…
戦争の記事一覧
タグ「戦争」の中で、絞り込み検索が行なえます。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
-
小説『鋲【文庫改訂版】』【第7回】菜津川 久
復讐のために仕掛けたロープ。標的のアメリカ人の女の子がとうとうやってきた…。
-
小説『氷上の蠟燭』【第2回】安達 信
【小説】家族で食べるブリしゃぶ。思い出話で盛り上がるも、義母の膵臓癌を意識してしまい…
-
小説『鋲【文庫改訂版】』【第6回】菜津川 久
ラジオが流す『真相』は日々変わる。目の前で妹が死んだということだけが確かだった。
-
エッセイ『私の戦争体験』【最終回】坂田 朱美,德重 心平
日の丸の旗を見ると今でも思い出す。大人たちが歓迎する様子を見ながら涙が…。
-
小説『氷上の蠟燭』【新連載】安達 信
【小説】人々の怨恨の煙火が、まるで青白い紫陽花のように美しく…
-
小説『鋲【文庫改訂版】』【第5回】菜津川 久
飛行機と機関銃の轟音…“妹を死なせた”ぼくが母に伝えた言葉
-
エッセイ『私の戦争体験』【第5回】坂田 朱美,德重 心平
運動靴の配給くじに当たって大喜び!お母ちゃんに早く見せたくて
-
小説『鋲【文庫改訂版】』【第4回】菜津川 久
昼休み、警戒警報。「下校せよ」の指示で、妹を連れて走るも…
-
エッセイ『私の戦争体験』【第4回】坂田 朱美,德重 心平
復員した父が差し出した金平糖と乾パン…「戦争は終わったんだ」と思った瞬間
-
小説『鋲【文庫改訂版】』【第3回】菜津川 久
え、立ち退き!? 「焼けたと思えばいいんじゃないですか」焼け残ったこの家を米兵が目につけて
-
エッセイ『私の戦争体験』【第3回】坂田 朱美,德重 心平
【絵本】「あのときのことを思い出すと今でも胸がどきどきします」
-
小説『鋲【文庫改訂版】』【第2回】菜津川 久
「欲しい奴いるか、この指触れ」終業後、クラスメートを集めて…
-
エッセイ『私の戦争体験』【第2回】坂田 朱美,德重 心平
【絵本】か細い声で「おかあさん…」防空壕で出会った学生
-
エッセイ『私の戦争体験』【新連載】坂田 朱美,德重 心平
【絵本】「昭和18年5月、出征するお父ちゃんを見送りました」
-
小説『鋲【文庫改訂版】』【新連載】菜津川 久
戦後まもない日本「平和な国民として生まれ変わるのです」…先生は得意気に声を張り上げた
-
エッセイ『コントレイル』【最終回】山田 秀次郎
のしかかる大きな不安…新人整備士を救った先人たちの言葉
-
エッセイ『共生感謝録』【最終回】藤田 慶喜
消えてしまった1人の工員…「現場のチームワーク」を体感した出来事
-
エッセイ『コントレイル』【第9回】山田 秀次郎
人知れず紡いだ彼女との一冬の静かな交流…「29号機と私の物語」
-
エッセイ『共生感謝録』【第12回】藤田 慶喜
常にフル生産が要請されていた広畑製鉄所の「ワンワン運動」とは
-
エッセイ『コントレイル』【第8回】山田 秀次郎
あまりにも過酷な登山から半月…極限状態で知る「人間の姿」