内裏にいる左大臣藤原道長(ふじわらのみちなが)のもとに使いの者がやって来たのは夕暮れ前であった。道長がその知らせを聞いて慌てて馬を走らせ向かった先は、東京極大路と綾小路が交わる辺りの小さな邸であった。庭の手入れは行き届いているが、どことなく華やかさに欠けている。「如何されましたか」「姫が今朝より起き上がれず返事もございません」道長の問いかけに応えている老女は、臥せっている姫の祖母の昌子(せいし)…
平安時代の記事一覧
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