リリーは、その首をねぎらうようにとんとんと叩き、手綱を握り直します。森の入り口に着くと、フルールはひと声、大きく鳴きました。しんと静まり返った森に、フルールの鳴き声がやわらかく広がっていきます。「ありがとう。始めましょうか」その言葉を合図に、ふたりは走り始めます。リリーは、頬に当たる風の冷たさに思わず目を細めました。後ろへ後ろへと流れていく景色は、冬から春に変わっていきます。硬く縮こまっていた草…
少女の記事一覧
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小説『春を呼ぶ少女』【第7回】桜小路 いをり
白銀に輝くオオカミ…その背後から十歳くらいの子どもが現れた。白い肌に白い髪、そして特徴的にとがった耳。エルフだ。
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小説『春を呼ぶ少女』【第6回】桜小路 いをり
「落としちゃったの…お母さんが編んでくれたのに」―森の入り口に小さな人影。 近づくと、そこにいたのは女の子で…
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小説『春を呼ぶ少女』【第5回】桜小路 いをり
美しい衣装を身にまとった「春を呼ぶ少女」リリー。愛馬フルールとともに村の家々をひとつひとつ回り春を呼ぶ
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小説『春を呼ぶ少女』【第4回】桜小路 いをり
本当は、この日が来るのがほんの少しだけ怖い。春を呼ぶ仕事を終え、村が春を迎えてしまったら、「春を呼ぶ少女」としての私は…
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小説『春を呼ぶ少女』【第3回】桜小路 いをり
フルールに乗って走っているときだけは、心に絡みつく重苦しい想いが遠くに行ってしまうような、晴れやかな気持ちになれた
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小説『春を呼ぶ少女』【第2回】桜小路 いをり
母に代わって役目を果たす彼女を、村の人々は「春を呼ぶ少女」と呼んだ
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小説『春を呼ぶ少女』【新連載】桜小路 いをり
少女が亡くなった母親から受け継いだある力。そしてこの村に伝わる物語とは?