本当にいいのだろうか? なすすべがなくなって、諦めて時間が過ぎ去っただけで、妻の自宅介護に対して考えつくしていないのではないか? 妻のベッドの横で考え始めた。『将来、自問自答した時に、胸を張って全力を尽くしたと言えるように、今を京子に捧げる』あの決心に恥じないか。改めて京子の痒い所、痛い所に、直ぐに手が届くように寄り添って、応えてやりたい。そう思ったときに、ふとひらめいた。『そうか、これから付き…
小説
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『ALS―天国への寄り道―[人気連載ピックアップ]』【第20回】島崎 二郎
ALSの妻…喜んでくれるいい手が見つからない。微笑みが出る程度の話でいい。それが続いていけば、どれだけ救われるだろう
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『綻ぶ糸を手繰り寄せ 』【第7回】ホエラニア
殺してやる...背中でもさすってやろうとした途端、お前の体が跳ね、僕の手が振り払われる。隻眼が僕の目を貫き、僕に襲いかかり、確かにこう言った。
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『維新京都 医学事始』【最終回】山崎 悠人
逆子の頭が産道にひっかかった。このままだと、赤ん坊は首吊り状態で窒息死してしまう。医師は鋏と鉗子を取り出して…
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『小窓の王』【第7回】原 岳
「こんな発信機で、レスキューしてもらえるんですかね」「いや、これは遺体捜しに使うんだよ」――厳冬の剣岳に、いよいよ…
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『今のこのままの日本でいいのか』【第3回】一粒 野麦
男は黙ってアメフト部、ハレンチ丸出し水泳部男子、(どこがと言われると困るが)学生運動風の弁論部。賑やかな部活勧誘で…
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『高校生SM 』【第6回】大西 猛
口の中は水分を失い、唇が歯に張り付いていた。瞬間、先生の匂いが迫ってきた。私はそれを鼻いっぱいに吸い込んだ。
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『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第4回】行久 彬
「亭主を自殺に追い込んだ悪妻」と母に悪い噂が流れ耐え忍ぶ日々…世間が自分たちの味方ではないことを知った
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『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』【第10回】
彼の家への突然のお泊り。必要な物を揃えるためにデパートへ。「下着は僕が選んでもいい?」彼は楽しそうに選んでいる。
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『ALS―天国への寄り道―[人気連載ピックアップ]』【第19回】島崎 二郎
小さなことなのに、深い瞬きして喜び「ア・リ・ガ・ト・ウ」と口パクする妻。自宅介護を取りやめた申し訳なさで一杯だった私は…
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『綻ぶ糸を手繰り寄せ 』【第6回】ホエラニア
そこから血と鼻を突く臭いがして、ゴミ袋を見やる。お前の服が死んだねずみの塊みたいに固まっている。
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『兎角儚きこの世は』【第3回】白井 忠彦
王宮の書庫に侵入すると、そこには王子が…自分はもう終わりだと思ったが、王子は異常に動揺していて―? なるほど、あの春画は…
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『眠れる森の復讐鬼』【第12回】春山 大樹
「何でこんなことになったんだ!」「何の異常もなかったのに、突然心電図がフラットに…」「そんな馬鹿なことがあるか!」
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『小窓の王』【第6回】原 岳
冬の剣岳、彼らが命を落としたあの山行の一部始終…「最短で六日間の計画。そのうちには必ず悪天の周期があるはず」
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『高校生SM 』【第5回】大西 猛
先生の存在を全身で感じたかった。顔をもっと近くで見て、匂いをもっと近くで嗅いで、言葉を鼓膜が痛くなるぐらい近くで聞きたかった。
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『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第3回】行久 彬
私だけがなにも知らなかった…ある日級友から父が自殺した事情を聞かされて…
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『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』【第9回】
夫の不倫で離婚してから一年。恋人なんて考えられないと思っていたが、「愛している」と耳元で囁やかれて...
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『ALS―天国への寄り道―[人気連載ピックアップ]』【第18回】島崎 二郎
排泄物の処理、痰の吸引、生命維持装置の管理…自宅介護への自信がなくなってしまった。妻の本意を確認しろと先生は言うが…
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『綻ぶ糸を手繰り寄せ 』【第5回】ホエラニア
死に直面した人間が吐き出すような絶叫に、尋常でない様子の親友を訪ねる。扉が人一人分きっちりと開いて、僕の目の少し下辺り、お前の頭が揺れている。
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『仙一』【第3回】古川 晋次
使いっ走りを口実に、タバコ屋を営むタエさんに会いに行っていたが、彼女が気になっているのはハンサムな自分の後輩だと知り…
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『義満と世阿弥』【第3回】貝塚 万里子
生まれた時から将軍と成る事が決まっていた足利義満。義満に気を遣い、誰も対等と話そうとする人はいなかったが、世阿弥だけは…