百合の兄の二宮守に対し、来栖はいつの頃からか、姓ではなく名のみで「守さん」と呼んでいた。そのように変わっていった時の心理を自身でも説明できないでいた。妹と来栖とは少なくともある程度は個人的に親しくなっていたはずだと推しはかり、それを来栖からも直接聞かないではおかないとする気迫のようなものが守の態度には垣間見えていた。あの時からだ。呼び名をどうしたらいいかということを契機に守との関係を次第に強く意…
小説
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