風がすっかり冷たくなってきた。荷物が増えたのでリュックサックを背負い、中華粥の紙袋の小笠原老人の分を前籠に入れ、自分の分は左手に下げ、片手運転でマンションを目指した。マンションの入口の空いている場所に自転車を駐め、階段で三階へ行った。小笠原老人の部屋のベルを押す。「お待ち下さい」とインターフォンから声がして、ドアが開いた。「いらっしゃい」小笠原老人は濃紺のタートルネックのセーターの上から、明る…
小説
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