【前回の記事を読む】十歳に満たないくらいの男の子…幽霊だ。喉が、ひゅっと鳴った。――その時「あははは」幽霊が笑い、天使のような顔で…マジメは、何も恐れていない様子で、ずかずかと家に入っていく。そして、さっき手の影がいくつも現れたガラスの引き戸のそばで足を止めた。「あ」そう声を漏らしたマジメの背中に隠れ、恐る恐る様子を窺うと、十歳に満たないくらいの男の子が、和室の隅に立っているのが見えた。幽霊だ。…
小説
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『寂しがり屋の森』【第8回】村松 凪
何か来る…絶対的な気配。台所の方でペタ、ペタ、と床に足が張り付く音。昔ながらのガラスの引き戸に、小さな手の影が…
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『訳アリな私でも、愛してくれますか』【第5回】十束 千鶴
"結婚しない選択"と親からのプレッシャー、「赤ちゃんの服を見て『あら可愛い。いつか孫ができたら買ってあげたいわ』って」
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『今は令和と申すのか』【第8回】おおいわ 美紅
「あの夜と朝、私の布団の中で感じた気配はあなた様だったのですか?」ドキドキしながら聞いてみると、信長様は…
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『心ふたつ[人気連載ピックアップ]』【第15回】高田 知明
「うわっ……」彼女には...顔がなかった。俺は目を瞑って一心に祈った。今朝のあの時間に戻るんだと...
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『毎度、天国飯店です』【第16回】竹村 和貢
腕時計を見ようと左腕を持ち上げると、繋いでいた二人の手は呆気なくほどけてしまった。先輩は「今夜はここまで。」と…
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『Return Journey』【第11回】福井 研一
(ALSだろ? 知ってたわ)―やっと告げられた「筋萎縮性側索硬化症」。そのとき既に、検査から半年も経っていた。なぜもっと早く…
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『夫 失格[注目連載ピックアップ]』【第9回】時亘 一肇
「一緒の時間が一番幸せ♥」―ラブラブ浮気相手と旅行中の夫。衝動的に「訴えるぞ」とメールしてしまい…
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『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第9回】須賀 渚
その客は他の店員には普通なのに、私に対しては、目が合うとうつむき、言葉を詰まらせる。どこかで会った気がするけれど…
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『不倫の何がいけないの?[人気連載ピックアップ]』【第10回】安本丹
至極つまらない平凡なプロポーズになりたくなくて私は自分の理想のプロポーズを事あるごとにそれとなく彼に伝えていった
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『大王の密使』【第9回】都丸 幸泰
「あの娘は並みの娘じゃない。師匠と十年も剣の修行をしている。剣を投げ返されなかっただけでも命拾いをしたな」
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『これからの「優秀」って、なんだろう?』【第5回】中村 隆紀
「創造性って、教えられたら、方程式を解くように身に付くの?」――育成に必要なのは、受験勉強のような解への導きではなく…
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『伊豆の御社』【第9回】ほそや まこと
愛犬に「歳取るってどんな感じ?」と聞くと、「わからない…でも、哀しい感じがする」と言われた。ボクたちは会話をしたのだ
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『心ふたつ[人気連載ピックアップ]』【第14回】高田 知明
自分の花嫁の名前も顔も分からないまま披露宴は進んでいく。花嫁の顔を見ようと腰をかがめてみたが綿帽子で見えなかった...
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『ぽろもきの冒険』【第9回】エゾノ はやと
「一緒に暮らそう」の手紙を頼りにおじいさんを訪ねた。彼と離れて仕事も辞めて…だが、呼び鈴を鳴らすと女性の声で「どちらさま?」
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『Return Journey』【第10回】福井 研一
筋電図という検査は拷問だった。ぶっとい針を直接筋肉にぶっ刺して、なおかつ「チカラを入れろ」と言われ、それを何十箇所も…
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『夫 失格[注目連載ピックアップ]』【第8回】時亘 一肇
さっきまで浮気相手とホテルにいたらしい夫。私に電話をかけてきて「電車を乗り過ごしたから、隣駅まで迎えにきて」
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『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第8回】須賀 渚
「そんなこと考えてると、村に居られなくなるよ」―篭を民芸品として売りたいとみんなで話していたら、トシさんがポツリと一言…
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『不倫の何がいけないの?[人気連載ピックアップ]』【第9回】安本丹
絵になる二人――周りからの羨望の眼差しを目一杯浴びて、私は思春期に得られなかった優越感を存分に味わっていた
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『29歳、右折の週』【第9回】言田 みさこ
彼は気づけない。薄笑いをこらえた表情も、はにかみと捉えた。友達がいのない女だ。抱かれながら貧乏ゆすりするような、薄情な女。
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『白い陥落~看護学生あずみの事件簿 2~』【第10回】叶浦 みのり
「さっき、お兄ちゃんが病院に運ばれたの」カッターを振り回し、自殺すると叫ぶ会社の秘書女に切りつけられ…