そして関心を示し始めた有三の表情に気を良くし、続きを語り始めたのだ。「例えば、ここで一つ、交通事故があったとしよう。加害者と被害者との遭遇が百分の一秒でもずれておったらどうだ? 大事故には至らず、かすり傷程度で済むことになろう。しかし、この事故が歴史的大事件であって、それを知る者が日本全国に及んでしまっていたら? それらの者たちから記憶を一掃するのは、膨大なエネルギーを必要とし、時をずらす行為よ…
[連載]塵芥仙人
-
小説『塵芥仙人』【第10回】瀧 祐二
「お主の寿命の一部、十年をちょうだいするというのではどうかな?」耳を疑うこの突拍子もない提案に、たじろぐしかなかった。
-
小説『塵芥仙人』【第9回】瀧 祐二
「実はな、わしは、過去に神通力とやらを授かったんじゃ」異臭を放つゴミの奥から出てきた老人はそう言った...
-
小説『塵芥仙人』【第8回】瀧 祐二
肌は赤銅色、頭の麓に銀髪を残し、そこから頂点に掛けて大きく禿げ上がった何とも不気味な老人とは
-
小説『塵芥仙人』【第7回】瀧 祐二
たとえ地獄の番人でもすがりつきたい心境の時に失くした腕時計が見つかったという女性社員の話しを耳にしてすぐさま…
-
小説『塵芥仙人』【第6回】瀧 祐二
ゴミ仙人に頼むと、2~3日で失くし物が見つかるという話を信じ、会いに行ったところ…
-
小説『塵芥仙人』【第5回】瀧 祐二
夫からプレゼントされたロレックスの時計をなくし、困り果てた友人を助けようとして…
-
小説『塵芥仙人』【第4回】瀧 祐二
機密情報の持ち出し、漏洩、謝罪会見と悪夢がよぎるなか、雑談が耳に入ってきて…
-
小説『塵芥仙人』【第3回】瀧 祐二
大事なUSBメモリを紛失してしまった!機密情報や個人情報等がぎっしり入っていたのに…。
-
小説『塵芥仙人』【第2回】瀧 祐二
絶対に早く帰らなければ…今日は妻の誕生日。仕方なく一大事業の企画書を持ち帰り…。
-
小説『塵芥仙人』【新連載】瀧 祐二
「塵芥仙人」と呼ばれるゴミ処理場の番人の奇怪な姿と、荒れ果てた畑