誰に言うともなく、のろのろと続けられるマス江のモノローグに、黒崎耀子が、プッとふき出した。それって、ニムラのおやじに対する近親憎悪に近いんじゃないの――と、言いたい気持ちを何とか抑えて、「ああいうおじさんなら、よく大手企業の窓際族にいるわよ。リストラ寸前のね。ま、性格が不自由な方は、周囲で我慢してあげなけりゃあねえ」と言った。「ともかく、あたしゃ、大嫌いだね、あんな男」マス江が「大」にアクセント…
[連載]庭師と四人の女たち
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小説『庭師と四人の女たち』【最終回】草原 克芳
「地獄への道はポジティブな言葉の花束で埋め尽くされてるって、言うからねえ」老いた性格の悪い婆が意地悪く笑った
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小説『庭師と四人の女たち』【第19回】草原 克芳
冷蔵庫で冷やしておいた庭師からの貰い物の赤い果物を、ガラス皿に載せて持ってきた。一応は、上客扱いなのだ。
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小説『庭師と四人の女たち』【第18回】草原 克芳
庭師は真っ白な歯をネクタリンの実に突き立て、女たちの目を見ながら、ゆっくりと齧ってみせた…
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小説『庭師と四人の女たち』【第17回】草原 克芳
大人になってひとかどの社会人になると、急速に失ってしまう、あの切なくなるような表情
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小説『庭師と四人の女たち』【第16回】草原 克芳
「庭と魂とは、深い関係にあるものですからね」庭師が来たものの、中庭の完成イメージはバラバラ…
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小説『庭師と四人の女たち』【第15回】草原 克芳
庭師というので、初老の職人を想像していたが、日本人離れしたイケメンの庭師が来て…
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小説『庭師と四人の女たち』【第14回】草原 克芳
「何でも勝手に決めちゃうんだから」悪口を吹き込む老婆の小細工…
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小説『庭師と四人の女たち』【第13回】草原 克芳
庭を自分好みに変えていこうとする女たち。店主は強く反論できず…
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小説『庭師と四人の女たち』【第12回】草原 克芳
美しい庭は、強欲な権力者が歌劇団の妾を囲った庭だった…。
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小説『庭師と四人の女たち』【第11回】草原 克芳
自分を裏切った彼氏を捨てきれない…。泣く彼女に話しかけた人物は
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小説『庭師と四人の女たち』【第10回】草原 克芳
「彼に、別の生活があったんです。わたしの知らないところに、もうひとつの生活が…」
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小説『庭師と四人の女たち』【第9回】草原 克芳
サングラスをかけて入ってきた横柄な態度の女性客にイラッ!
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小説『庭師と四人の女たち』【第8回】草原 克芳
鬱な毎日…しかしある日覚醒し、どんどん人生が好転するように!?
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小説『庭師と四人の女たち』【第7回】草原 克芳
彼の隣の可憐な少女に嫉妬して...「髪を、毟るように引っ張った」
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小説『庭師と四人の女たち』【第6回】草原 克芳
「あのヒトは不器用なの、だからあたしが付いていてあげないと。」
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小説『庭師と四人の女たち』【第5回】草原 克芳
「とんでもない婆さんだわ…」夜に覗いたアパートで老婆が見た光景
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小説『庭師と四人の女たち』【第4回】草原 克芳
喫茶店で暇をつぶす老婆。若者をやっかみ半分で噂する本意は…
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小説『庭師と四人の女たち』【第3回】草原 克芳
口さがのない老婆の自虐「妖怪が一匹、そこにつっ立ってるんだ」
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小説『庭師と四人の女たち』【第2回】草原 克芳
不思議な雰囲気の喫茶店。ママの健康談議に耳を傾けるのは…
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小説『庭師と四人の女たち』【新連載】草原 克芳
「ウチはね、こだわりの店なの」不思議な魅力を放つ喫茶店、その名も『パンタレイ』