黒い森に行くつもりで、僕はワルツさんを振り返った。ワルツさんは僕を抱き上げ頬ずりをした。ワルツさんは何か言いたげだった。カトリーヌは一緒に来たがった。だけど、僕はひとりがいい。それに今日はひとりで行かないといけない。 ずっとこのところ僕は変だった。黒い森にいる時に一番幸せを感じていた。黒い森で生き物の死骸は土の中に埋もれたまま、腐っていく。僕はその上を平気で歩く。その時に僕は思う。僕は僕でいいっ…
[連載]カトリーヌと囁き森
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小説『カトリーヌと囁き森』【第17回】智佳子 サガン
「囁き森」が僕を呼ぶ。僕は死神を呼ぶ黒猫だから僕は僕にふさわしい場所に行くよ
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小説『カトリーヌと囁き森』【第16回】智佳子 サガン
六十年前に姿を消した兄を探し続けた妹からの手紙に返事を出せない理由は…
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小説『カトリーヌと囁き森』【第15回】智佳子 サガン
家から兄さんがいなくなり私は毎日泣きました。六十年の時を越えて届いた一通の手紙
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小説『カトリーヌと囁き森』【第14回】智佳子 サガン
牧師の奥さんが死んだのは「未必の故意」!? 真実を知るのは…
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小説『カトリーヌと囁き森』【第13回】智佳子 サガン
天罰が下った牧師の奥さん。不幸中の幸い、島を出るのが延期に
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小説『カトリーヌと囁き森』【第12回】智佳子 サガン
母を殺された少女が心に決めた復讐。あの夫妻を許すことはできない。
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小説『カトリーヌと囁き森』【第11回】智佳子 サガン
ワルツから語られる真実…カトリーヌの母、アンジェの秘密とは
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小説『カトリーヌと囁き森』【第10回】智佳子 サガン
「あんたの父親はどこの誰かわからないっていうじゃないか」と水の中に放り投げられた本
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小説『カトリーヌと囁き森』【第9回】智佳子 サガン
「あなたは本を読む資格などないのよ」本屋で牧師夫妻はカトリーヌと母親を馬鹿にして…。
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小説『カトリーヌと囁き森』【第8回】智佳子 サガン
「わしはあの子は牧師夫妻に可愛いがられていないように見える」
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小説『カトリーヌと囁き森』【第7回】智佳子 サガン
猫の僕だけに語られた本音…「私にはやらなきゃいけないことがある」
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小説『カトリーヌと囁き森』【第6回】智佳子 サガン
奇病にかかった夫人に「きっと役に立つ」、きれいな一冊の本
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小説『カトリーヌと囁き森』【第5回】智佳子 サガン
【小説】島の真ん中にある「黒い森」人々はここを恐れるけれど…
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小説『カトリーヌと囁き森』【第4回】智佳子 サガン
いつもの鼻歌が聞こえない…ワルツさんが不機嫌な理由は「赤い蝋引きの手紙」
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小説『カトリーヌと囁き森』【第3回】智佳子 サガン
悲しみで「荒涼とした冬の海のような瞳」をした若者が探し求める本とは
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小説『カトリーヌと囁き森』【第2回】智佳子 サガン
【小説】「僕は不吉な猫だ」猫のリュシアンの悲しい過去
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小説『カトリーヌと囁き森』【新連載】智佳子 サガン
【小説】朽ちかけた木造りの本屋の主人は風変わりなおじいさん