5 家出またアーケードを歩き、途中で見つけた玩具屋に、二人して立ち寄りました。ひやかすだけかと思っていたら、近藤さんがプラモデルを一つ買ってあげると言います。狂喜した私は散々迷ったあげく、本当は電動歩行の『大怪獣シリーズ・バラゴン』が欲しかったのですが、あまりに図々(ずうずう)しい気がして、別体のマブチモーター付き『人間魚雷・回天』を買って貰いました。「ほな、お母はんによろしゅうゆうといてな」…
[連載]金の顔
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小説『金の顔』【最終回】菊野 啓
母と子の関係はあらぬ方向へ発展しつつあります。
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小説『金の顔』【第33回】菊野 啓
何があろうと自分は一生亀を食わない
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小説『金の顔』【第32回】菊野 啓
映画でも観に行かんで
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小説『金の顔』【第31回】菊野 啓
タミちゃんはパパのお宝だよ
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小説『金の顔』【第30回】菊野 啓
旅館はどこにでもあるけんど、偉人はめったにおらんもん
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小説『金の顔』【第29回】菊野 啓
このまま学校へ行かなくてすめばいいのに
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小説『金の顔』【第28回】菊野 啓
長女を百姓屋へやったことを、心底後悔していた
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小説『金の顔』【第27回】菊野 啓
どんな相手も母を超えることはできなかった
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小説『金の顔』【第26回】菊野 啓
大きな風呂敷包みが母の背中に乗っていました
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小説『金の顔』【第25回】菊野 啓
祖父はせせら笑い、祖母は無視を決め込みました
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小説『金の顔』【第24回】菊野 啓
血縁関係を疑うほど似ていません
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小説『金の顔』【第23回】菊野 啓
取って付けたような涙は偽物です
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小説『金の顔』【第22回】菊野 啓
痛くないのが死だと納得しました
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小説『金の顔』【第21回】菊野 啓
即席ラーメンは夢のような食べ物だった
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小説『金の顔』【第20回】菊野 啓
放射能は身体に良いとさえ思われていた
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小説『金の顔』【第19回】菊野 啓
歯医者が嫌いなので放置してありました
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小説『金の顔』【第18回】菊野 啓
阿呆の一つ覚えみたいに「救急車」を繰り返す
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小説『金の顔』【第17回】菊野 啓
百姓ほど辛いもんはないんでよ
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小説『金の顔』【第16回】菊野 啓
人間の保つ感情のうちで最も愚劣で厄介なもの
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小説『金の顔』【第15回】菊野 啓
その時、私は『金』が人間の害悪だと理解しました。
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