2 秘密基地の大貧民「ど好かんやっちゃ」痰を靴裏でなすり付けてきます。私は正座したまま動けませんでした。「するんか、せんのんか」岡田が恫喝(どうかつ)します。追い詰められたマユミは微(かす)かに頷(うなず)きました。「よっしゃ、するんじゃな」岡田が破顔(はがん)して洋一を放しました。「ほな、パンツ脱げ」潰れた鼻孔を広げています。「パンツ脱いで、おちゃこ見せえ」歪んだ唇を更にねじ曲げて、黄色い乱ぐ…
[連載]金の顔
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小説『金の顔』【第14回】菊野 啓
大貧民しよってちょっと熱うなっただけじゃ
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小説『金の顔』【第13回】菊野 啓
ほな、ユウザイと思う方は手を上げてください
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小説『金の顔』【第12回】菊野 啓
ほんなことしてただですむと思うとんか
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小説『金の顔』【第11回】菊野 啓
化け猫が出たんとちゃう
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小説『金の顔』【第10回】菊野 啓
悪いことしとらんでも早死にの人もおる
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小説『金の顔』【第9回】菊野 啓
蓋の閉まる瞬間、猫は確かに私を見ました
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小説『金の顔』【第8回】菊野 啓
三毛猫のミイが入って来ました
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小説『金の顔』【第7回】菊野 啓
チキンラーメンがええ
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小説『金の顔』【第6回】菊野 啓
警察を毛嫌いしていました
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小説『金の顔』【第5回】菊野 啓
大人たちが私に勝手な期待をした
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小説『金の顔』【第4回】菊野 啓
滴る汗がシトラスミントの香り
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小説『金の顔』【第3回】菊野 啓
頭の中に誰か別の私がいるようなんです
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小説『金の顔』【第2回】菊野 啓
制服姿の警備員が飛んで来ました
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小説『金の顔』【新連載】菊野 啓
日本は豊かになったものだなあ
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