その後の数日間、渡辺家と四郎を慕う河後森の侍たちが、ある者は単独で、ある者は足軽や妻子を連れて、吉田の館に逃れてきた。館には、既に吉田領内の侍や足軽が集められ、張り詰めた空気が漂っていたから、すぐにいっぱいになってしまい、あふれた者たちには、吉田の郷に泊まる場所が手配された。悠堂と四郎は、連日額を寄せ合って相談したが、四郎の手勢と吉田家だけで河後森城を攻め切るのは、いかにも難しい。それに、新たに…
[連載]東方今昔奇譚
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小説『東方今昔奇譚』【最終回】原 国太郎
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小説『東方今昔奇譚』【第11回】原 国太郎
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小説『東方今昔奇譚』【第10回】原 国太郎
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小説『東方今昔奇譚』【第9回】原 国太郎
【小説】里の長は、迎えに出て唖然とした。丘の長が一人で…
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小説『東方今昔奇譚』【第8回】原 国太郎
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小説『東方今昔奇譚』【第7回】原 国太郎
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小説『東方今昔奇譚』【第6回】原 国太郎
浜に篝火が焚かれる時に、年長者たちが火の周りに加わる理由
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小説『東方今昔奇譚』【第5回】原 国太郎
秋の収穫物をめぐって凄腕の青年猟師と村の長の交渉が始まる
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小説『東方今昔奇譚』【第4回】原 国太郎
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小説『東方今昔奇譚』【第3回】原 国太郎
避難民には故郷がない。新天地に行くという言葉は魅力的だった
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小説『東方今昔奇譚』【第2回】原 国太郎
仙人がいる島という説も…理想郷を目指して旅立った人々がいる
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小説『東方今昔奇譚』【新連載】原 国太郎
男は奴隷として連行され、女と子どもは豚のような扱いを受けた