【前回の記事を読む】大学生活になじめず、休暇届を出して向かったのは「金峯山」。故郷にいた頃のように山々を歩き、草花を愛でたいと思った日暮れ前に吉野川を渡った真魚は、迷わず山に足を踏み入れ、頂(いただき)を目指して山道を登っていった。自然の中に身を置くことで気持ちが昂っている。登れるところまで登り、疲れたら露天で寝てしまえばよいという魂胆であった。季節は晩秋だった。夜になると寒気が足元から這い上が…
[連載]天部の戦い
-
小説『天部の戦い』【第8回】白龍 虎俊
真魚(のちの空海)、夜の山中で僧と語らう「今、すべてを吐き出したあなたは、新しく生まれ変わりました」
-
小説『天部の戦い』【第7回】白龍 虎俊
大学生活になじめず、休暇届を出して向かったのは「金峯山」。故郷にいた頃のように山々を歩き、草花を愛でたいと思った
-
小説『天部の戦い』【第6回】白龍 虎俊
三種の神器を取り戻すため、帝釈天と弁財天は地上へ降りる決意をする。それを聞いた十五童子たちは――
-
小説『天部の戦い』【第5回】白龍 虎俊
帝釈天の活躍で三邪神は撃退された。しかし、奪われた三種の神器は見つからず……
-
小説『天部の戦い』【第4回】白龍 虎俊
3邪神を相手に奮闘する童氏たち。敵はあまりにも強大で、邪神の吐いた唾液が足を捉えた。もう逃げられない......
-
小説『天部の戦い』【第3回】白龍 虎俊
つかの間の休息。弁財天の奏でる琵琶の音に酔いしれるが、突然の雨風と共に現れる敵の名は……
-
小説『天部の戦い』【第2回】白龍 虎俊
あらゆる生物が逃げ惑い、神すらも身を隠すほど熾烈な争い。勝敗を分けるきっかけは、あの小さな生き物だった?
-
小説『天部の戦い』【新連載】白龍 虎俊
閻魔が降り立ったかと思うほどの惨状―神仏同士の壮絶な戦い。阿修羅王は、自分の娘・弁財天が略奪されると勘違いし…