【前回の記事を読む】儀式が終わると手早く彼女の皮を剥ぎ、持ち運べるだけの大きさに細かく肉を分ける。彼女の心臓はその時、まだ温かかった。走っている動物の真横に馬をぴったりつけて並走し、一本の矢で確実に心臓を一突きにする技を、彼はひたすら磨いた。お陰で狩りに行くときは一本の本矢と、何かあったときのための二本の予備矢だけという、誰よりも軽装な出で立ちになった。ハイホースや他の仲間たちは、誰が一番多く狩…
[連載]真夜中の精霊たち
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小説『真夜中の精霊たち』【第8回】新見 上
普段は一頭しか仕留めてこなかった彼が、たった一本の矢でもって七頭ものバッファローを仕留めて部族全体が大いに沸き立った
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小説『真夜中の精霊たち』【第7回】新見 上
儀式が終わると手早く彼女の皮を剥ぎ、持ち運べるだけの大きさに細かく肉を分ける。彼女の心臓はその時、まだ温かかった。
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小説『真夜中の精霊たち』【第6回】新見 上
彼女の瞳の色を、彼は生涯、忘れられなかった。彼女にキスをしたいという堪え切れない衝動が同時にこみ上げてきて......
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小説『真夜中の精霊たち』【第5回】新見 上
彼女は他の女の子達とは違う。彼女ときたら、男がいる前で、お構いなしにガニ股で水の流れの中を踏ん張って洗濯しているんだから。
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小説『真夜中の精霊たち』【第4回】新見 上
君は恋をしたことがある?――部族一美人の親友の彼女に猛烈に恋をして二人きりになろうと…
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小説『真夜中の精霊たち』【第3回】新見 上
「分からないかね…私はお前だ」―先祖の霊との儀式に現れたのは、自分自身を名乗る男だった。男は、最後の時のことを話し始め…
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小説『真夜中の精霊たち』【第2回】新見 上
彼の前に現れたのは動物の姿をした精霊ではなく、先祖ですらなかった。
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小説『真夜中の精霊たち』【新連載】新見 上
「もし君が繋がりを求めるならば、七つの方角に向けて、聖なる煙を吹かすんだよ。」七つの方角とはこの世のすべての場所のこと。