【前回の記事を読む】病を抱えたハル。夫と最後の旅へ——「いま鈴の音が聞こえなかったかい?」その言葉で、嫁入りの日の記憶が心によみがえる。真夏の昼下がり、ローカル線の秩父鉄道、波久礼(はぐれ)駅に睦子は降り立った。叔父の話では訪問先は駅の近くで、橋を渡ると青い瓦屋根ですぐわかるとだけ教えられ、重い気持ちで、手土産を携えここまで来た。降りた乗客は睦子一人だけ。駅前はシャッターのおりた食堂と人家が数件…
[連載]老楽
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小説『老楽』【第11回】遠藤 トク子
縁談に“難あり”で…仲人にお詫びをするために訪ねたのは、寂れた町だった。ある老婆に家に誘われ、ついていくと…
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小説『老楽』【第10回】遠藤 トク子
病を抱えたハル。夫と最後の旅へ——「いま鈴の音が聞こえなかったかい?」その言葉で、嫁入りの日の記憶が心によみがえる。
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小説『老楽』【第9回】遠藤 トク子
「ばあちゃんはふだん優しいんだけど……怒ると、痛い」と口をそろえる孫。手が早いけれど…婆ちゃん子の孫たち
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小説『老楽』【第8回】遠藤 トク子
二度の流産の末にやっと男の子に恵まれた。すると次々と子を授かり、一気に三人兄妹へ――そんな矢先、舅が倒れてしまい…
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小説『老楽』【第7回】遠藤 トク子
流産、翌年も、また流産。妊娠した身体で無理に畑仕事を続けた結果だった――それでもハルは花輪を編み、新たな命に祈りを捧げた
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小説『老楽』【第6回】遠藤 トク子
ハルは8人兄弟の長女、19歳だが、母親代わりとしてよく妹弟の面倒を見てきた。22歳になって、初めてお見合いをすることに…
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小説『老楽』【第5回】遠藤 トク子
自分には好きな人がちゃんといる、もうすぐ結婚する。息子が惚れていた女性教員が言った非情な言葉とは。
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小説『老楽』【第4回】遠藤 トク子
布団で寝込んでいると耳に入る、聞いてはいけない大人の話。帰省したがらない娘婿に対して納得のいかない母。「こんなんだったら...」
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小説『老楽』【第3回】遠藤 トク子
4つも年上の女に、いいように遊ばれた息子。酒の勢いで手を握り、キスをされただけで、自分に惚れていると思い込んでしまった
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小説『老楽』【第2回】遠藤 トク子
「汚れている! うんちしたくなったら教えてね」お風呂場に連れていかれオムツを外してお湯のシャワーを浴びせられ…
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小説『老楽』【新連載】遠藤 トク子
老楽という言葉がある。みっともなくても、かっこ悪くても、老いをとことん楽しむ。