あんちゃんも女教師に対して自信がなかったのだろう。結果的に父ちゃんの薦める女性と見合い写真を見ただけで結婚式を挙げた。結婚式から一週間後に初の里帰りをして、お嫁さんの実家に新夫婦で挨拶に顔を出す習わしがあった。あんちゃんはそこで初めて義父母とじっくり対面した。嫁の母親は勝気な人で、娘を大事にしてくれとあんちゃんに迫った。あんちゃんはきつい要望を平気で言う実家に二度と顔を出さなくなった。農家の嫁が…
[連載]老楽
-
小説『老楽』【第4回】遠藤 トク子
布団で寝込んでいると耳に入る、聞いてはいけない大人の話。帰省したがらない娘婿に対して納得のいかない母。「こんなんだったら...」
-
小説『老楽』【第3回】遠藤 トク子
4つも年上の女に、いいように遊ばれた息子。酒の勢いで手を握り、キスをされただけで、自分に惚れていると思い込んでしまった
-
小説『老楽』【第2回】遠藤 トク子
「汚れている! うんちしたくなったら教えてね」お風呂場に連れていかれオムツを外してお湯のシャワーを浴びせられ…
-
小説『老楽』【新連載】遠藤 トク子
老楽という言葉がある。みっともなくても、かっこ悪くても、老いをとことん楽しむ。