【前回の記事を読む】ハルは8人兄弟の長女、19歳だが、母親代わりとしてよく妹弟の面倒を見てきた。22歳になって、初めてお見合いをすることに…祝い事は農作業のない冬になる。ハルと峯司の結婚式も寒の二月に行われた。この時代の結婚式は、生家から花嫁衣裳姿で出す。鬘(かつら)の高島田に角隠し、振袖に打掛を着て、幌付きの馬橇(ばそり)に嫁入り道具一式と花嫁が乗り、嫁いでいく。こんな昔ながらの結婚式もハルの…
[連載]老楽
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小説『老楽』【第7回】遠藤 トク子
流産、翌年も、また流産。妊娠した身体で無理に畑仕事を続けた結果だった――それでもハルは花輪を編み、新たな命に祈りを捧げた
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小説『老楽』【第6回】遠藤 トク子
ハルは8人兄弟の長女、19歳だが、母親代わりとしてよく妹弟の面倒を見てきた。22歳になって、初めてお見合いをすることに…
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小説『老楽』【第5回】遠藤 トク子
自分には好きな人がちゃんといる、もうすぐ結婚する。息子が惚れていた女性教員が言った非情な言葉とは。
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小説『老楽』【第4回】遠藤 トク子
布団で寝込んでいると耳に入る、聞いてはいけない大人の話。帰省したがらない娘婿に対して納得のいかない母。「こんなんだったら...」
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小説『老楽』【第3回】遠藤 トク子
4つも年上の女に、いいように遊ばれた息子。酒の勢いで手を握り、キスをされただけで、自分に惚れていると思い込んでしまった
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小説『老楽』【第2回】遠藤 トク子
「汚れている! うんちしたくなったら教えてね」お風呂場に連れていかれオムツを外してお湯のシャワーを浴びせられ…
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小説『老楽』【新連載】遠藤 トク子
老楽という言葉がある。みっともなくても、かっこ悪くても、老いをとことん楽しむ。