それ以降毎年、佐渡のおばちゃんから近況を知らせる手紙と、佐渡のおばちゃんの家で収穫されたお米が届くようになった。この手紙を読むことがとても楽しみで、読むたびに〝共に戦った戦友〟と心を通わせているような気持ちがして、喜んで返事を書いた。毎年お米が届く季節を、今か今かと待ちわびた。手紙のやり取りは私にとっては、母を通じて育んだ友情を互いに確認し合うとても大事なひと時だった。珍しく、いつもの季節にお米…
[連載]318号室の扉
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エッセイ『318号室の扉』【第5回】戸嶋 次介
「ホテルアジア会館」で一人で生活することになった僕。寂しさから部屋の扉を半開きにしていると…
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エッセイ『318号室の扉』【第4回】戸嶋 次介
学校を休んでいる間に母の看病生活を始めて、小学校最後の3学期は終了していた。
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エッセイ『318号室の扉』【第3回】戸嶋 次介
母が望んでいた中学に合格。それを知った母は安心したのか、糸が切れたようにその後一気に容態が悪くなり、間もなく亡くなった
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エッセイ『318号室の扉』【第2回】戸嶋 次介
遅れて中学受験の勉強を始めたが、変わらない成績…先生に相談すると、「大丈夫」
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エッセイ『318号室の扉』【新連載】戸嶋 次介
母倒れる! 勉強をしない僕の将来を心配して急遽中学受験!?