税務署で税金の申告を終えたお爺さんは帰宅のためバスに乗りました。バスは自宅の近くのバス停に止まりました。お爺さんは両足に体重を移し、手すりを持ち、よいしょと腰を持ち上げました。ゆっくりと降車口に向かい、バスを降りようとしました。下を見た時、地面まで自分の足が届くのかどうか不安になりました。視力が衰えたようです。適当に足を伸ばして無事にバスから降りることができました。このようなことは電車から降りる…
[連載]猫と狸と、ときどき故郷
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小説『猫と狸と、ときどき故郷』【第6回】宮本 正浩
「高齢者にとって世の中は危険に満ちている」ゆっくりゆっくりとバスや電車から降りて気を付けて生活するお爺さん
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小説『猫と狸と、ときどき故郷』【第5回】宮本 正浩
「鼻の手術が日本を救うという訳にはいかないのですね」再会した狸のタクシードライバーとの会話は、思わぬ方向へ弾んでいって…
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小説『猫と狸と、ときどき故郷』【第4回】宮本 正浩
眠りから覚めると、タクシーの運転手が狸に… 人間社会へ溶け込む狸の最近の生活とは?
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小説『猫と狸と、ときどき故郷』【第3回】宮本 正浩
「子供の命を助けてくださり有り難うございます。これで少し恩返しができたようです」
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小説『猫と狸と、ときどき故郷』【第2回】宮本 正浩
四国は死霊が集まる「他界!?」 遍路女性の墓を洗い草花を供えた狸が…
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小説『猫と狸と、ときどき故郷』【新連載】宮本 正浩
水路の水の流れに見とれていた時、茶色い物が流れてきて…。なんとそれは子狸だった!