(二)田んぼは、初めてだった。米を追う仕事を、しているのにもかかわらず。ただ、たまには署を離れるのも、いいものだ。稲の上を渡る風に吹かれながら、葛城玲子は思った。いつ降り出すかわからない天気だが、田んぼの現場検証も悪くない。後ろに控える部下、高橋警部補もそう感じているようだ。「今のところ、目撃者は見つかっていません」所轄の警官が、散発的に報告に来る。「田んぼにはありませんが、農道沿いには何台かビ…
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