天才の軌跡④ セルヴァンテス父親像の崩壊が起きた直後、庇護してくれるはずの良き権力者を失った人々は、悲嘆にくれる。中世は悲嘆にくれ神にすがる時代であった。しかし人々は徐々に権力者のいないことの利点を見出すことになる。すなわち自由である、そして個、自身の能力に自信を持ちはじめるのである。この時代はルネサンスと名付けられている。『エル・シドの歌』に描かれた、父親像の崩壊の悲しみから、セルヴァンテスの…
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