第2章 障害のある子どもの理解
文字の読み書きができるまで
文字の学習では、連続した音声を聞いて、音を言葉のかたまり(ピース)に分け、文字に変換します。音を意味文字として意識することが音韻意識です。
これは、日常の会話や遊びのなかで習得されていきます。文字がわからない子はこの音韻意識の弱さをもっています。日本語では、モーラ意識(音韻論上、一定の時間的長さをもった音の文節単位)をもつことが大切です。
たとえば、これがうまくできていないと、「きって」と「きて」、「チョコ」と「チコ」の区別ができないため、まず「音の粒」(音素)に気づくことが必要です。これを養うには、やはりことば遊びが大切になってきます。
私たちも幼児期に「逆さことば」を言い合って遊びました。たとえば、「あたま」の反対から読むと「またあ」、「てぶくろ」は「ろくぶて」と言って、頭を6回叩いたりしました。歌に合わせて音を区切っていく遊びがとても効果的です。