第3章「気になる子ども」の行動特徴
気になる子どもの実態
保育園等では、「気になる子ども」あるいは「グレーゾーン」、「配慮を必要とする子ども」と思われる子どもが増えているといわれます。「気になる子ども」とは、明らかに障害があるとはいえないが、ADHDやASDなどの行動特徴が強く出ていて、周囲から育てにくいとみられている子どもを指していると思われます。
「気になる子ども」が増えていることに関しては、絶対数なのか、あるいは周囲の保育者の見方が敏感になって相対的に増えているものなのか明確ではありません。しかし昨今、保育園などの先生方が「気になる子ども」は増えていると感じているのは実感としてあるといいます。
「気になる子ども」には、知的な遅れはなく知能は正常の範囲内と思われるのですが、教室やプレイルームなどで、みんなと一緒にいられずに絶えず動いて落ち着きがない、急に飛び出したり、飛び跳ねたりする、場の雰囲気が読めずに隣の子にちょっかいをだしたり、おしゃべりしたり、落ち着かない、話にも一貫性がなく、話題があっちこっちに移り変わるといった行動をとります。
そのほか、友だちにほとんど興味を示さない子どもがいます。また、ちょっとしたことで興奮しやすかったり、注意が持続しにくかったり、喧嘩・トラブルがあったり、保護者や先生方が困っている場合が多いのです。
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著者は、その現状を知りたいと思いました。そこで、幼稚園で教育実習をしてきた152名の学生に対して、アンケート調査をしました。それは、実習中に「障害のある子どもとは、はっきりといえないけれど、あなたが『気になる』子どもはいましたか?」という質問でした。