さらに「いた」場合は、「その子どもは、どのような子どもでしたか?」を自由記述してもらったのです。そうしたところ、108名(71%)の学生が気になった子どもは「いた」と回答しました。
「いなかった」は22%、「わからない」「無回答」が7%でした。じつに約7割の学生が「いた」と答えていました。
幼稚園の調査
実習後の学生たちに「気になる子ども」の様子を自由記述で回答してもらいましたが、全体で265もの様子が記述されていました。それを内容面で精査・整理しました。いわゆる似たような内容をカテゴリー化するKJ(ケージェイ)法で分類したのです。
その結果、気になる様子として、「行動」(29%)、「集団活動」(13%)、「対人関係」(10%)、「言語」(27%)、「身体」(7%)、「生活」(6%)、「性格」(5%)の7領域、「その他」(3%)でした。これをまとめたのが、表です。ここでの領域とは、まとめやすいように便宜上こちらが考えた領域です。
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学生たちは幼稚園の子どもたちの様子を純真(ピュア)な目で見てきます。そのような「気になる子ども」の様子が発達障害とどのような関係があるかは、よくわからず現状がはっきりとしません。
しかし、こうして気になった様子を自由に記述してもらうと、発達障害の行動特性との類似点を考えることができました。幼稚園の先生方は、このような気になった行動が強くでて周囲を困らせ、指導の仕方やかかわり方がうまくできないと「気になる子ども」と認識してしまうものと思われました。
この調査をもとに、幼稚園の先生方が日頃から子どもたちとのかかわりのなかで、どのような行動特徴を「気になる」と認識しているのか、アンケート調査を実施することにしました。そこでアンケート調査をつくり、幼稚園の園長さんをとおして調査を依頼しました。