セットリストNo.2(第二章)

16 ParadiseChange

原宿からなんとなく重たーい気分で、自分のお店に帰ってくると、DJブースのステップに香子が、座っているのを見つけた。

「そっか今日は、土曜日か。今夜は、QUEでゲストDJをやる日だから、一緒に行こう」

翔一は、香子の肩を抱いてキューへ向かった。そのお店キューは、数ある六本木のダンスフロアーでは、老舗中のしにせ。

かつての『DISCO』という言葉から、最近では『CLUB』というふうに、ダンスフロアーの呼び方が、変化しつつあるこの頃だけどキューは、DISCOの代名詞のようなお店。

近頃出来た新しいお店には、レーザービームなんかを使った『ライティング』が、幅をきかせ始めているが、このお店には『レイン・ライト』と、呼ばれる名物ライトがある。垂直に、照らし落とされる光の帯が、ダンスフロアー一面に降りそそぐ。

フロアーで、ダンスにハマル全てのゲストたちの頭上に、白い霧のような空間を生み出す。そんな、伝説的なライティングが備えらている。超カッコイイダンスフロアー。

六本木通りに面したビルの階段を香子と2人並んで、かけ上ると

「翔一君、おはようッス。あれっ今夜は、彼女とご同伴?」

声をかけてきたのは、このお店のマネージャー。

「どう? 今夜の入りは」

翔一が訊く