(6)「どうしたのよ、いったい。ふさぎ込んじゃって、気分でもわるいの?」石媽(シーマー)が何くれとなく心配してくれたが、ごまかす気力もなかった。多くのことが重なりすぎると、言葉も出なくなる。安定した給金は、永年の苦労がみのってようやく手に入れた、福禄である。しかし、毎月手わたされる銀は、ひき裂かれた親子の、泪の結晶であるかもしれないのだ。見きわめよう。ここがいったい、どういう組織なのか、見きわめ…
新着記事一覧
-
小説『花を、慕う』【第34回】堀田 冀陸
手わたされる銀は、ひき裂かれた親子の、泪の結晶かもしれない
-
エッセイ『古九谷を追う 加賀は信長・利休の理想郷であったのか』【第20回】西野 鉄郎
信長は、自分のなかに「神」がいたのでしょうか?
-
エッセイ『ありがとうをもう一度』【第13回】残間 昭彦
看護師たちの挨拶に涙…母は「ただいま」と言って笑顔を返した
-
俳句・短歌『地雷の如く』【第12回】馬場 美那子
句集「地雷の如く」より三句
-
俳句・短歌『歌集 忘らえなくに』【第6回】松下 正樹
歌集「忘らえなくに」より三首
-
小説『異世界縄文タイムトラベル』【第10回】水之 夢端
あの道路の切れた面からこちら側が現代で、あちら側が原始時代
-
実用『脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法』【第25回】梶川 博,森 惟明
rt-PA(アルテプラーゼ)とは?脳梗塞の緊急治療に有効だが…
-
評論『ストップthe熟年離婚』【第17回】清水 一郎
先進国最低…日本の「社会関係資本」が残念すぎた
-
評論『発達障がいに困っている人びと』【第2回】鈴木 直光
早期介入が重要。正しい知識で即行動に移すのが治療の鍵
-
健康・暮らし・子育て『超元氣! 現代病を防ぐニッポンの知恵』【第13回】外薗 明博
「なんか最近、疲れやすい…」を解消するための2つの鍵とは
-
俳句・短歌『花と散りにし』【第5回】松下 正樹
歌集「花と散りにし」より三首
-
歴史・地理『オールガイド 日本人と死生観』【第33回】新妻 健
徹底して苦難に殉ずるところに、絶対主体の生きざまが輝く
-
実用『人の道 伝統的テコンドーの解釈』【第26回】イッペン デイビッド
不当な殺生を決して行わないのがテコンドー哲学
-
小説『異世界縄文タイムトラベル』【第9回】水之 夢端
キャンプ場パニック「係員はまだか?」深まる謎のゆくえ
-
エッセイ『認知症介護自宅ケア奮闘記 私の知恵と工夫』【第3回】棚橋 正夫
「もしもし」と叫び…認知症妻の異常行動。夫が絶句して見た先
-
俳句・短歌『歌集 星あかり』【第11回】上條 草雨
歌集「星あかり」より三首
-
俳句・短歌『歌集 淀川。よ』【第6回】矢嶋 博士
歌集 「淀川。よ」【平成三十一年・2019年】より 三首
-
エッセイ『ありがとうをもう一度』【第12回】残間 昭彦
「心の財だけは来世へ持ち越せる」迫る死を覚悟した母の境地
-
評論『発達障がいに困っている人びと』【新連載】鈴木 直光
「誰も助けてくれない……」8歳児の問題行動に母げっそり。
-
エッセイ『認知症の母を支えて 103歳を元気に迎えるまでの工夫』【第16回】石塚 武美
「何としても知りたい!」 名前だけを頼りに祖父の生家を探す