一
「じゃぁ、乾杯だ。お誕生日おめでとう!」
「ありがとう」
私達は、グラスをカチッと合わせ、一緒に飲んだ。
「どうぞ、食べて」
「いただきます」
と私は手を合わせると、スープをスプーンですくって飲んだ。美味しいコーンスープだった。
「美味しいわ!」
「そうかい。良かった」
次にハンバーグを食べ、エビフライも食べた。もの凄く美味しかった。サラダは、レタスと、刻んだキャベツ、それにポテトサラダで、ドレッシングが絶妙の味で、どれも本当に美味しかった。
「君が美味しそうに綺麗に食べてくれて、うれしいよ」
「だって美味しいんですもの!」
「良かった」
音楽が第四楽章になって、食事も終わりになった。また神矢は冷蔵庫へ行って、綺麗なガラスの器に入ったプリンを持って来てくれた。
「まぁ。デザートまで! ありがとう」
「これは買って来たんだ。どうぞ食べて」
神矢は甲斐甲斐しく、もてなしてくれた。
「美味しかったわ」
私がプリンを食べ終えたと思ったら、またキッチンへ行って、何か用意をしてくれているようだった。しばらくすると、トレーに乗せて、二つのコーヒーカップを運んで来てくれた。
「どうぞ」
私は香りを嗅いだ。
「コスタリカコーヒーね!」
「そう。僕はマスターから豆を買っているんだ。僕の朝は、毎日コスタリカだよ」
「ありがとう。美味しいわ。……コスタリカって、どんなところかしら」
「僕も行った事はないけど、中央アメリカの南部で、北海道の半分くらいの小さな国らしいよ。北東はカリブ海に面して、南西は太平洋に面してる。自然が豊かで、確か環境保護先進国だったと思うよ」
「ふーん。世界には色んなところがあるのね。私はどこへも行った事がないけれど……」