【前回の記事を読む】年寄りの寂しさにつけ入るのは、とてもたやすい作業だった。彼らが喜びそうなことを言うと、面白いように高齢者は私に騙された一見、気難しそうな男性も、何度も何度も足を運ぶことで、私を信用するようになった。私の場合、詐欺といってもお金の対価の労働もしたのだから、そんなに悪いことをしたという感覚は正直に言って持っていなかった。木村さんに対しても、おばあちゃんがあまりにも私を可愛がってく…
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小説『泥の中で咲け[文庫改訂版](人気連載ピックアップ)』【最終回】松谷 美善
木村のおばあさんから三千万円を騙し取った。それなのに、捕まった私の罪が軽くなるようにと嘆願書を書いてくれて…
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小説『お嬢様の崩壊[人気連載ピックアップ]』【第8回】いけだ えいこ
子どもたちも夫も、私に向かって笑ってくれなかった。家の中に笑顔がなかった。いつも笑って歌う彼の姿だけが心をほぐしてくれた
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エッセイ『振り子の指す方へ[人気連載ピックアップ]』【第11回】山口 ゆり子
胃ろうへの移行を促され、べそをかくように泣いた父。寝たきりになり、私が作った食事だけが生きる楽しみだったのだ。
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エッセイ『良子という女[注目連載ピックアップ]』【新連載】野村 よし
口から食べられなくなったら、そこで終わりにしてくれ。「胃ろう」など、もっての外だ。余分な治療は一切するな。
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健康・暮らし・子育て『なぜあなたの痛みはがんばっても消えないのか?』【第7回】和田 由美
こんな人は要注意! 猫背や小股歩きはつまずき・転倒の原因に…。日常に潜む危険を予防する歩き方とは
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小説『愛しき女性たちへ[人気連載ピックアップ]』【第8回】白金 かおる
酒に酔っては母を叩いていた父。襖の隙間からその恐ろしい光景を見て、耳を塞いで耐えていた姉と私
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エッセイ『遠い夢の向こうのママ[人気連載ピックアップ]』【第3回】かおる
アダルトチルドレンの私と、子供時代の記憶。育ての母は私が近所の子と遊ぶのを嫌っていたため、ほとんど家でひとりで遊んでいた。
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小説『普通の男、浩狙われる!』【第11回】上山 照
集中治療室に移った男は、未だ予断を許さない状態だった。心臓の動きを強くする薬に加え、点滴で栄養剤が身体に送り込まれている。
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評論『詐欺師×スパイ×ジェントルマン』【第7回】鱸 一成
【トム・リプリー論】『太陽がいっぱい』『贋作』『死者と踊るリプリー』の三部作を結び付けるのは指輪。リプリーにとって指輪とは…
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実用『GOODBYE いじめ対策』【第7回】ガンジー・平墳
体育祭でハチの死骸を食べせる、手足を縛り口を粘着テープでふさぐ…学校はこれを「いじめ」ではなく「ケンカ」と言った。
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小説『鼠たちのカクメイ』【第15回】横山 由貴男
「いずれ大坂天満で火の手が上がる。それが決起の合図だ。家族のために米を取りに参れ」大塩の声に、農民たちの心は大きく揺れていた
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エッセイ『最高のセカンドライフは海外転職で』【第16回】宮永 保文
インドネシア第二の都市・東ジャワ州の州都スラバヤ。インドネシアの大阪と言われているがスーツ姿の人を見ることはほとんどない
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小説『サイレントエース』【第11回】湯澤 明彦
「強豪仁成学園中に、池永という名の投手がいる」…その男は、僕が手にした池永メモを引き継ぐべき男だった。宿命の出会いだった。
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エッセイ『記憶の旅に栞紐を挿み[人気連載ピックアップ]』【第3回】村瀬 俊幸
緊急入院から3週間後転院するため福祉タクシーに。車椅子に全身固定されワイヤーで車の中へ引き上げられる妻
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評論『ゴータマ・ブッダの自己心理学 十二支縁起の謎を解く』【第11回】東海林 さとる
【仏教】愛とは、自分の生存への執着欲? 生存に執着するからこそ、際限のない欲望が生まれ、そのこだわりが所有欲へ…
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小説『泥の中で咲け[文庫改訂版](人気連載ピックアップ)』【第21回】松谷 美善
年寄りの寂しさにつけ入るのは、とてもたやすい作業だった。彼らが喜びそうなことを言うと、面白いように高齢者は私に騙された
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小説『お嬢様の崩壊[人気連載ピックアップ]』【第7回】いけだ えいこ
車で流れたコンサートDVD…目が離せなかった。生まれて初めてファンクラブというものに入会した。夫や子どもには内緒だった。
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エッセイ『振り子の指す方へ[人気連載ピックアップ]』【第10回】山口 ゆり子
母は、あの男の子とたいして変わらない。蟻の触覚をむしっては、方向感覚を失い惑うその様子を楽しんでいたあの男の子と…
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小説『愛しき女性たちへ[人気連載ピックアップ]』【第7回】白金 かおる
彼女と男女の関係になりたい…。でもこの銀座のクラブではボトルを入れると7、8万かかるし、いつまでお金が続くのやらと悩む日々
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小説『縁 或る武家のものがたり』【第7回】伊藤 真康
大坂攻めを敢行する総大将である徳川家康は、もはや七十三~四歳になっていた。軍勢を率いるにはあまりにも老いていたが…