管理職選考(副校長選考)に合格 ~妻には内緒~
前任校に勤務する頃から、指導主事や管理職に興味・関心を持っていたことは前述したところである。そうした背景には、管理職からのお声掛けもあってのことではあった。本格的に考え始めたのは、現任校に異動してからである。
前任校でもそうであったが、現任校も管理職選考にチャレンジする者が比較的多かったこともあって、そうした気持ちに自然と駆り立てられていったのだと思う。最初の受験の時は、何が何だかわからぬままチャレンジし、ものの見事に失敗した。職場内や外部にも無料の勉強会はあったが、私は次の受験からは民間の通信添削に申し込んで、いわば“資金投入”をして臨んだ。
金をつぎ込んだからには、それ相応の結果を出さないと……、という思い、すなわち自分自身を追い込む狙いもあってそうした。そして、試験後、確かな手応えを感じたと思ったら合格していた。合格した理由を考えてみると、丁度私が受験する頃に選考方法の変更があった。
最初に失敗した時は、論文試験のみであったが、その後、選考方法が変わり、教養試験と論文試験の二本立てに変わった。教養試験は択一式のもので、教育法規、教育原理、教育心理、学習指導要領、時事問題など、普通の受験勉強と変わりなく、準備しやすくなった。
また、論文試験は、民間の添削指導を受けることにより、的を射た指導を受けることができたこと、などが考えられる。さて、ここまでは、“合格”といっても一次選考までの話で、その先がまだある。
次の関門が二次選考である。これは私が得意とする面接試験である。以前から面接には自信があったが、いくつかの勉強会からお誘いいただき面接練習を重ねていく中で、最終合格に辿り着くことができた。
合格発表の日の夕刻、勉強会のO会長から私の自宅に電話がかかってきた。私は不在で妻が電話に出た。「おめでとう」の祝意が伝えられ、そして、「詳しいことは後で旦那に聞けば分かる」といって電話が切れたとのこと。
妻には、受験することも、ましてや合格したことも一切内緒にしていたものだから、妻は何が何だかわからなかったようだ。ここまで来ると、私も言いそびれて、電話のあったその日は、なんだかんだとはぐらかし急場をしのいだ。さて、いつ伝えたのか。タイミングを逸すると、益々言い出しにくくなるものだ。
結局のところ、妻には2年間の任用前研修を経て、いよいよ昇任する間際になって初めて伝えたのだった。