中部地区の普通科高校

平成19年4月、人事異動。6校目は中部地区の全日制普通科高校であった。当該校は文武両道をスローガンに掲げ、都教委の「重点支援校」事業にもチャレンジしており、私は着任早々からその目標達成に向けて精力的に邁進することとなった。前任校と比べ、仕事量は3倍近くに膨らんだが、全く質の異なるもので、何一つ苦にはならなかった。いわば、“地獄から天国へ”と昇天したような気分で、世界が一変した。

なお、前任校で校長選考に合格していたため、この時期は、副校長としての通常業務に加え、いわゆる校長任用前研修も兼ねての時期であった。

副校長の仕事 ~文書作成から人事、外部対応、何でもこなす(よろず)請負人(うけおいにん)

副校長の仕事というものは、トップ(校長)のやり方次第で随分変わってくる。私が仕えた上司は、そのほとんどを部下である私に“任せる”タイプであった。その代わり、部下の不始末やその結果については、校長自らがその責任を取るというものだった。

よって、保護者宛て通知からはじまって、都教委への各種報告書・諸資料の作成、教員の服務管理、人事、業績評価に至るまで、ほとんど全ては副校長である私が案文を作成させていただいた。そして、校長の許可・了承を経て、最終的に校長名で提出、配布等となっていた。

繰り返しになるが、この手続きを校長自らが行う場合と、一部副校長に任せる場合と、ほとんどを副校長に担わせる場合との3つのパターンに分かれる。幸いにして、私の場合は、3つ目のほとんどを担わせられたケースであった。こうした経験が、色々と勉強となり、のちに校長職に就いてから大変役立つことになった。

また、外部対応において、学校に対するクレームなどで、「責任者を出せ」「校長を出せ」と怒鳴り込んできた場合も、直接、校長に取り次ぐようなことはせず、原則、副校長が対応し、相手に納得していただくよう努め、事なきを得るようにするのが副校長の大事な役目であった。そうしたことから、副校長というものは、仕事量のみならず、精神的な面で、相当なストレスが付加される職でもあった。それ故、同僚の中には、メンタル面で休職に追い込まれていくケースもあった。