朝学習は、こちらの期待に反して、最初から各クラス数名程度の参加者で停滞した。

「それ見たことか‼」との陰口も聞こえてきたが、意地でもやり続けた。

SHRの5分間ドリルは、学年の英語と国語の教員が問題を作成し、各担任が自分の専門教科とは関係なくとも、配られた模範解答を片手に採点・集計を行い、生徒に返却することを続けた。そして月間MVPとか年間最優秀賞などの賞を付与して、イベント風に盛り上げていった。

私たち学年団は、「定員割れの学年とは言わせない!」「誰一人後ろ指を指させない!」、こんなことを合言葉にして、団結心に燃えていった。

全都初の海外修学旅行

~実施間際に「9・11事件」‼~

ところで、そんな〝二次募〟の学年に、なんと都立高校初の海外修学旅行の話が降ってきた。

ここでもまさにパイオニアとしての苦労があった。

とにかくゼロからの出発、そして、様々な課題を抱えた学年、それがこともあろうことに海外へ⁈行き先は、オーストラリア、ハワイ、韓国、マレーシアなど、さんざん検討した揚げ句、シンガポールに決まった。

ちなみに、私の海外旅行経験といえば、数年前に前出の歴史の研究会のK会長のお誘いで、東京都の歴史教員を代表して、台湾を視察訪問した時の1回だけであった。学年団のメンバーも半数はパスポートすら持ったことのない者で占められていた。

そうした者たちが無い知恵を絞り、幾度となく会合を重ね準備を進めていった。

※本記事は、2021年10月刊行の書籍『ザ・学校社会 元都立高校教師が語る学校現場の真実』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。