俳句・短歌 四季 2022.04.21 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第102回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 雨粒あまつぶの滴したたり受ける春の宵 ポツリ濡れてもまた気持ち良い 晴れやかな日曜の朝深呼吸 陽光ようこう浴びて草木くさき息づく 鴇色ときいろに此の上も無く麗うるわしく 空が照り舞う春の夕暮れ
小説 『あら、50歳独身いいかも!』 【第25回】 武 きき 離婚の危機!?――玄関を開けると、女性の靴が…? 寝室に向かい扉を開けるとそこには若い女性と夫の姿が… 【前回の記事を読む】明日は妻が来てくれる! 出張先でも会えることに喜んでいた夫、しかし酷く酔っぱらって帰ってしまい目が覚めると…心臓の音がうるさい。静まれ! どんな事があっても、美樹の手を離さない! ああ~、どうすればいい? 焦る。新幹線が遅く感じる。イライラする。家に着いた。美樹はいるだろうか。こわごわ玄関を開けた。美樹はスーツケースに荷物を詰めている。何をしているんだ!今日は、涼真さんのマン…
小説 『この子ばっかしゃ』 【第2回】 石田 哲彌 戦後の農地改革で叶った母ちゃんの夢──小作農から自作農へ、大沢家では世界で一番偉い救世主であったマッカーサーへの思い 【前回の記事を読む】かつて、若者はなにかに追い詰められたように突っ走り、そして駆け抜けた……。主人公"ケン"の物語が始まるケンの家はもともと小作農家。これまで本家の田畑を耕して生計をたてていた。したがってなにをするにも本家に相談するのが常であった。たとえば学校に進学するにしても本家に相談してからである。仮に本家の子供が進学していなければ、分家の子供の進学は当然できない相談であった。たかだか子供の…