エッセイ エッセイ 食品 2022.04.14 世界が注目する台湾の高級茶を求めて。麗しの国フォルモサへ! 紅茶列車で行こう! 【第14回】 田中 哲 “紅茶”産地の疑似体験ツアーへ、いざ出発――。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 本記事は、田中哲氏の書籍『紅茶列車で行こう!』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。 【前回の記事を読む】紅茶作りは進化する…モダンなセイロン茶の上質な味わい 紅茶産地キャンディと素敵な蝶 セイロン紅茶の父、ジェームス・テイラーが最初に茶栽培に取り組んだキャンディのトピックご紹介。 [写真1]古都キャンディにある仏歯寺 [写真2]古都キャンディにある仏歯寺。本殿には、仏陀(お釈迦様)の歯が祀られているとのこと [写真3]スリランカを代表する美しい蝶、テンジクアゲハ。英名Blue Mormon。1992年Nov. Kandy(キャンディ)のラベル。スリランカは敬虔なる仏教国。よって殺生はいけないことだそうで、なかなか手に入らない標本
小説 『アイアムハウス』 【新連載】 由野 寿和 静岡県一家三人殺害事件発生。その家はまるで息をするかのように、いや怒っているかのように、大きく立ちはだかり悠然としていた 午前十一時。サイレンを鳴らさず、車両は静岡県藤市十燈荘(じゅっとうそう)に到着した。静岡中央市にある県警本部から十燈荘までは、藤湖をぐるっと大回りして藤市経由でトンネルを通り、小山を登ることになる。藤湖を見下ろす高級住宅街、十燈荘は、土曜の昼だが活気はない。既に外部への交通規制が敷かれているとはいえ、不気味に静まり返っている。ここで殺人事件があったことを、住民達が知っている気配はなかった。その家…
小説 『アキレウスの迷宮』 【新連載】 小池 文平 「妙な彫り物と関わったせいで、あやうく殺されかけたのだ。」…イラク戦争の翌年、ケニア最大のスラム探検ツアーで… ああ、この心という、実体なき国。目に見えぬ光景と耳を打つ静寂の、なんたる世界であることか。このおぼろげな記憶、漠とした夢想の数々。えも言われぬエッセンスの、なんたる集まりであることよ。そして、すべての秘めやかさはどうだ。声にならぬ独白と、未来を予見する助言の秘密の劇場。あらゆる気分や思い、神秘が棲む、見えざる館。失望と発見が集う、果てしない場所。私たち一人ひとりが意のままに問い、可能なかぎりを命…