欧州編 ヒルトンで朝食を

写真を拡大 日曜朝の市内は静寂

昨夜の騒ぎから一晩が明け、日曜の朝なのでゆっくり起きるつもりだったが、窓の外は早くも明るく、自然に目覚めてしまうが気分は爽快。早速一階のロベルトズ・レストランへ。中に入るとすぐ長身でハンサムなホテルマンが、笑顔で迎え入れ案内してくれる。窓に近い席に着くと若いウェイトレスが「コーヒー? 紅茶? おいしいフレッシュオレンジジュースもいかが?」と聞いてきた。もちろん紅茶を頼み、ジュースもいただくことにする。テーブルのペーパーランチョンマットには

“Breakfast time is Hilton time”

とある。つまりヒルトンは朝食に自信ありってことだ。

しばらくするとトワイニング社製のややプレミアムなティーバッグを各種並べた木箱を持ってきて「お好きなティーをどうぞ」。濃い目で飲むべくアッサムとセイロンを各1バッグ選んで2バッグを合わせてポットに。その他、ダージリン、アールグレー、イングリッシュブレックファスト、ハーバルなどいずれも既製品のティーバッグだが、セレクションは文句なし。3杯位は採れそうなポットでサーブし、ヒルトン特製のスリムなマグカップで飲む。朝食時のティーとしては機能的でスマートな納得できるクオリティー。

さて肝心の食事は、ホテル朝食の定番、ブッフェである。綺麗に並べられている素材は見るからに上質で見ているだけでも、楽しい。ワクワクしてプレートに食べられる分だけを選び取るのがまた悩ましい。思い出せるままに再現しよう。

まずジュースはグレープフルーツ、アップル、トマトが色鮮やかに円筒ガラスのディスペンサーに並んでおり、もちろんフレッシュミルクもある。

続いてサラダは、濃淡色とりどりのグリーンサラダ、トマト、キューカンバー、各種オリーブに絶妙な味わいのドレッシング2種。その隣にはフレッシュフルーツとしてオレンジ、リンゴ、ブドウ、プルーン、メロン、パパイヤ、バナナ、パイナップル……、食前食後にお気に召すまま。

パンは、さすがに本場ヨーロッパだけあって各種ブレッド、クロワッサン、デニッシュなど食べたすべてがホテル品質で文句なし。隣には、ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリーなどのプレザーブ、マーマレード、ハネーにヨーグルト。

これまた本場のナチュラルチーズは惜しいが見るだけ、お次の旨い魚には、日本人はなぜか心を動かしてしまう。ビネガーを利かせたニシンのマリネや、しめ鯖風の刺身もあり、とても新鮮。定番のスモークサーモンはもちろん上物で、おいしいものは万国共通なのか、サバやサーディン(スモーク風味と塩焼き風)のグリルの味わいは和食に通じる。メインのハム・ソーセージベーコン類は、生とグリルに分けられ吟味された充実の品揃えだが残念ながら食べ切れない。

ブッフェはまだまだ続き、オーダーメイドの卵料理・野菜やパスタ・中華のホットグリル・シリアルまである。

写真を拡大 朝食後は、腹ごなしに近くのフォンデル公園を散歩。公園内の高級住宅とジョギングやスケート を楽しむ市民

テーブルに着けば、テラスの外の新緑の木々からやわらかな朝の陽射しが木漏れ日となっている。そしてさわやかな空気をほのかに暖め、紅茶と彩り豊かなプレートを明るく照らす。なんと心地良く贅沢なひとときだろう。

ゆったりとした時間の中で、洗練された粋な朝食を楽しみながらのティーウィズミルクも実にエンジョイアブル。

忙中閑あり。そして自由な孤独のグルメだ。

「期待に応えるヒルトンタイム、なかなかいいじゃないか」